テレワークを導入している会社は「18%」、利用経験者は「12%」
テレワークについてのアンケート
人材紹介サービスのワークポートが、「テレワークについてのアンケート結果」を公開しています。
2019年8月に行なわれたインターネット調査には、413人が回答しています。
「テレワーク」とは、パソコンやインターネットなどの情報通信技術を利用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方です。
自宅から在宅勤務をする以外にも、出先のカフェや出張中のホテル、自宅に近いサテライトオフィスなどを利用する場合もあります。
テレワークを導入している会社は「18%」
今回のアンケートでは、勤め先の会社がテレワークを導入している人は「18%」しかいませんでした。
現状では、テレワークを導入していない会社が大半であることが分かります。
導入されていても全員が使えるわけではない
アンケートによれば、テレワークを導入している会社でも、利用できる人や状況を限定している場合があります。
例えば、「全社員」がテレワークを利用できる会社は4割ほどに留まっています。残りの会社は特定の「一部社員」だけが対象です。
さらに、テレワークの利用に制限がある会社も少なくありません。
例えば、次のような例が報告されています。
- 「災害、インフルエンザなど出勤困難な状況のとき(40代男性・システムエンジニア)
- 妊婦やけがなどで通勤困難な事情がある人のみ(40代男性・その他)
- 1ヵ月に4回までテレワーク可能(20代女性・営業)
- 水曜日は奨励曜日となっている(40代女性・管理)
つまり、「いつでも認められている」わけではなく、特別な事情があるときの非常手段と考えている会社が多いのです。
テレワークが目指す「場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」からは程遠い状況と言えるでしょう。
テレワーク経験者は「12%」しかいない
このような事情があるため、過去にテレワークの経験がある回答者は「12%」に留まりました。
つまり、9割近くの人はテレワークを試したことさえありません。
では、テレワーク経験者は、どんなメリットとデメリットを感じたのでしょうか。
テレワークのメリット
- 通勤による疲労がない(40代女性・システムエンジニア)
- 家庭と両立ができる(30代男性・コンサルタント)
- 体調や気候に関係なく業務ができる(40代女性・システムエンジニア)
- 自分のペースで仕事ができる(20代女性・営業)
テレワークのデメリット
- 同僚との簡単な確認行為がしづらい(40代女性・運輸交通)
- チームスタッフや上司との連携がしにくい時がある(40代男性・管理)
- 自分で集中力を保つ必要性がある(30代男性・企画マーケティング)
- 楽をしているとか、仕事をしていないというイメージの払拭に力を使う(40代女性・管理)
また、ここには挙がっていませんが、「仕事とプライベートの気持ちの切り替えが難しい」という趣旨のコメントもみられました。
導入するなら今がチャンス
テレワークには、メリットもデメリットもあり、職種による向き不向きもあります。
しかし、現状では、導入している会社自体が少なく、「テレワークを試してみたい」と思っても、その機会さえ与えられていません。
現在、政府では「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」開催時の交通混雑緩和を図ることなどを目的として、「テレワーク」の普及促進を目指しています。
各省庁からの支援策も用意されているので、職場への希望として「テレワークの実現」を働きかけるなら、東京オリンピックが開幕する2020年の7月までがチャンスです。