総務省、ふるさと納税から泉佐野市を除外し続けると決定
泉佐野市を除外する決定を堅持
総務省は、大阪府泉佐野市を、ふるさと納税制度から除外するという決定を継続すると発表しました。
2019年6月から、総務省の指定を受けていない地方自治体への寄付は「ふるさと納税」とは認められなくなっています。
指定されなかった5つの自治体のうち泉佐野市のみが、これを不満として、国の第三者機関である「国地方係争処理委員会」に審査を請求していました。
これを受けた、国地方係争処理委員会が、泉佐野市を除外した決定を再検討するよう、総務省に勧告したため、総務省の判断が注目されていました。
総務省が、泉佐野市への判断を堅持したことにより、泉佐野市に残された手段は司法の場に訴えることになります。
総務省と泉佐野市は、ふるさと納税の返礼品に充てる予算の割合について、長く抗争を続けてきました。
さらに、泉佐野市が、ふるさと納税の制度が変わる前の段階で、Amazonギフト券を返礼品としたキャンペーンで駆け込み的に寄付を集めたため、総務省との対立が深まり、ふるさと納税制度からの除外につながったという経緯があります。
泉佐野市に寄付をしても税金が戻ってこない
ふるさと納税のメリットは、寄附金額から2,000円を除いた金額が、所得税と住民税から控除されて戻ってくることにあります。
つまり、1万円を寄付した場合、8,000円は税金が戻ってくるので、実質2,000円で寄付した自治体からの返礼品がもらえることになります。
しかし、泉佐野市のように総務省の指定を受けていない自治体への寄付は、ふるさと納税と認められません。
税金が戻ってきませんから、寄付が集まりません。
現在、総務省の指定を受けていない自治体は、次の5つです。
- 東京都
- 静岡県:小山町
- 大阪府:泉佐野市
- 和歌山県:高野町
- 佐賀県:みやき町
自主的に申請をしなかった東京都を除くと、返礼品に充てる予算の割合などで、総務省の方針に反していた自治体が選ばれています。
つまり、法律の改正前の段階で、総務省の方針を聞き入れなかった自治体に対する懲罰の形になっているため、法律違反のおそれがあるのではないかと争点となっています。
今回の総務省の決定を受けて、泉佐野市が争いを司法の場に持ち込むかどうかが注目されます。