1年に5日取ることが義務となった「有給休暇」の現状
有給休暇についての意識調査
調査会社のインテージが、「有給休暇についての意識調査」の結果を公開しています。
2019年9月に行なわれたインターネット調査には、全国の20~69歳の男女で、企業や公社に勤務している2,883人が回答しています。
有給休暇の義務化を知っている人は「6割」
有給休暇は、2019年4月1日の労働基準法の改正によって大きく変わりました。
現在は、1年間に10日以上の有給休暇が付与されている人は、そのうち5日は使用者が取得させることが義務づけられています。
つまり、一般的なサラリーマンの場合、最低でも年に5日は有給休暇を取らなければならなくなったのです。
しかし、新しい制度について知っている人は、回答者全体の6割に留まりました。
残りの4割の人は、有給休暇の取得が義務化されたことを知りません。
半年間の有給休暇は「5日」と「11日~20日」が多い
労働基準法の改正から、6カ月間で、どれぐらい有給休暇を取っているのかを聞いています。
有給休暇を取った日数では、「5日」と「11日~20日」が多く、それに「10日」が続いています。
一方で、「有給休暇をまったく取れていない」ことを示す「0日」の人が10%います。
もっと有給休暇が欲しい人が多い
回答者は、現在の有給休暇の日数に満足していません。
「有給休暇を、もっと取得したい」という人が6割を超えています。
有給休暇を取れない理由は「職場への配慮」
有給休暇が希望通り取れない理由を聞いています。
一番多いのは、「職場の人に迷惑をかけたくない」でした。
有給休暇を希望通りに取ると上司や同僚の仕事に影響がでることを心配しているのでしょう。
次いで「後で忙しくなるのが困る」が挙がっています。
休みを取ると、休暇明けに忙しくなることを心配しているのでしょう。
また、「自分にしかできない仕事が多い」「業務量が多い」「上司や同僚が有給休暇を取らないので、取りにくい」など、仕事の性質や量、そして有給休暇を取りにくい職場の雰囲気などが理由となっています。
有給を取ってくれないと会社も困る
今回の労働基準法の改正によって、「有給休暇」の取得が義務化されました。
これを、会社の側から見れば、有給休暇を取らない社員がいると困る状態になったのです。
ですから、まともな会社であれば、有給休暇を必ず取得するように呼びかけて、最後は休暇を強制するはずです。
それでも、あなたの会社が有給休暇を取れないような状態のままであるとすれば、メールでも良いので、労働基準監督署に相談することも検討してください。
いまや、有給休暇を「取らない」「取らせない」ということは、それぐらい重要な問題なのです。