2019年の自殺者数が減少。初めて2万人以下に

[2020/1/19 00:00]

統計開始以来初めて2万人を切る

警察庁によれば、2019年の自殺者数は「19,959人」でした。

まだ、速報値の段階で確定ではありませんが、2万人を切ったとすれば、統計を取り始めた1978年(昭和53年)以来、初めてとなります。

自殺者数は、1998年から2011年までの間、ずっと3万人を超えていました。

しかし、2012年に3万人を切ってからは、大幅な減少が続いています。

出典:警察庁のデータをもとに編集部が作成

自殺者の7割は男性

2019年の自殺者数は、全国で「19,959人」ですが、そのうち男性が「13,937人」、女性が「6,022人」です。

例年通り、男性の自殺者数が多く、自殺者数全体の70%を占めています。

出典:警察庁のデータをもとに編集部が作成

自殺者が多い県と少ない県

自殺者数が多い都道府県の上位5つは次の通りです。

  • 東京 2,107人
  • 大阪 1,191人
  • 埼玉 1,100人
  • 愛知 1,062人
  • 神奈川 1,057人

1年間の自殺者数が千人を超えるのは、この5つの県だけです。

特に東京は、人口が多いこともあって、飛び抜けて自殺者数が多い都道府県です。

一方、自殺者数が少ない県の上位5つは次の通りです。

  • 鳥取 80人
  • 島根 109人
  • 徳島 113人
  • 福井 123人
  • 高知 130人

鳥取は人口が少ないこともあって、自殺者数が100人を切っています。

自殺率が高いのは「山梨」、低いのは「神奈川」

東京や鳥取の例でも分かるように、自殺者数は、その県の人口に左右されます。

では、同じ人口で比べてみると、どうなるのでしょうか。

人口10万人当たりの自殺者数を「自殺死亡率」と言います。

2019年の「自殺死亡率」の全国平均は「15.8」でした。

つまり、人口10万人当たり15.8人が自殺しています。

そして、次の都道府県では、自殺死亡率が高く、20を超えています。

  • 山梨 22.3
  • 秋田 21.9
  • 岩手 21.7

この3県が、自殺率が高い県の代表と言えるでしょう。

ちなみに、自殺者数が一番多い東京の自殺死亡率は「15.2」で、全国平均を下回っています。

また、自殺者数が5位の神奈川の自殺死亡率は「11.5」で、全都道府県で一番低い数字です。

東京や神奈川は自殺者は多いが、自殺率は低い都道府県なのです。

都道府県同士で比べる場合は、自殺者数だけではなく、自殺死亡率も合わせて考える必要があるのです。

付録:2019年の都道府県別自殺者数と自殺死亡率【速報値】

  • 全国 19,959 15.8
  • 北海道 951 18.0
  • 青森 224 17.7
  • 岩手 269 21.7
  • 宮城 407 17.6
  • 秋田 215 21.9
  • 山形 193 17.7
  • 福島 356 19.1
  • 茨城 458 15.9
  • 栃木 362 18.6
  • 群馬 375 19.2
  • 埼玉 1,100 15.0
  • 千葉 977 15.6
  • 東京 2,107 15.2
  • 神奈川 1,057 11.5
  • 新潟 445 19.8
  • 富山 184 17.5
  • 石川 172 15.0
  • 福井 123 15.9
  • 山梨 182 22.3
  • 長野 357 17.3
  • 岐阜 343 17.2
  • 静岡 602 16.5
  • 愛知 1,062 14.1
  • 三重 299 16.7
  • 滋賀 252 17.8
  • 京都 322 12.4
  • 大阪 1,191 13.5
  • 兵庫 868 15.8
  • 奈良 224 16.7
  • 和歌山 173 18.5
  • 鳥取 80 14.3
  • 島根 109 16.0
  • 岡山 271 14.3
  • 広島 438 15.5
  • 山口 211 15.4
  • 徳島 113 15.4
  • 香川 149 15.5
  • 愛媛 229 16.9
  • 高知 130 18.4
  • 福岡 810 15.9
  • 佐賀 149 18.2
  • 長崎 206 15.4
  • 熊本 281 16.0
  • 大分 186 16.3
  • 宮崎 201 18.6
  • 鹿児島 307 19.0
  • 沖縄 239 16.5
[シニアガイド編集部]