2019年の自殺者数が減少。初めて2万人以下に
統計開始以来初めて2万人を切る
警察庁によれば、2019年の自殺者数は「19,959人」でした。
まだ、速報値の段階で確定ではありませんが、2万人を切ったとすれば、統計を取り始めた1978年(昭和53年)以来、初めてとなります。
自殺者数は、1998年から2011年までの間、ずっと3万人を超えていました。
しかし、2012年に3万人を切ってからは、大幅な減少が続いています。
自殺者の7割は男性
2019年の自殺者数は、全国で「19,959人」ですが、そのうち男性が「13,937人」、女性が「6,022人」です。
例年通り、男性の自殺者数が多く、自殺者数全体の70%を占めています。
自殺者が多い県と少ない県
自殺者数が多い都道府県の上位5つは次の通りです。
- 東京 2,107人
- 大阪 1,191人
- 埼玉 1,100人
- 愛知 1,062人
- 神奈川 1,057人
1年間の自殺者数が千人を超えるのは、この5つの県だけです。
特に東京は、人口が多いこともあって、飛び抜けて自殺者数が多い都道府県です。
一方、自殺者数が少ない県の上位5つは次の通りです。
- 鳥取 80人
- 島根 109人
- 徳島 113人
- 福井 123人
- 高知 130人
鳥取は人口が少ないこともあって、自殺者数が100人を切っています。
自殺率が高いのは「山梨」、低いのは「神奈川」
東京や鳥取の例でも分かるように、自殺者数は、その県の人口に左右されます。
では、同じ人口で比べてみると、どうなるのでしょうか。
人口10万人当たりの自殺者数を「自殺死亡率」と言います。
2019年の「自殺死亡率」の全国平均は「15.8」でした。
つまり、人口10万人当たり15.8人が自殺しています。
そして、次の都道府県では、自殺死亡率が高く、20を超えています。
- 山梨 22.3
- 秋田 21.9
- 岩手 21.7
この3県が、自殺率が高い県の代表と言えるでしょう。
ちなみに、自殺者数が一番多い東京の自殺死亡率は「15.2」で、全国平均を下回っています。
また、自殺者数が5位の神奈川の自殺死亡率は「11.5」で、全都道府県で一番低い数字です。
東京や神奈川は自殺者は多いが、自殺率は低い都道府県なのです。
都道府県同士で比べる場合は、自殺者数だけではなく、自殺死亡率も合わせて考える必要があるのです。
付録:2019年の都道府県別自殺者数と自殺死亡率【速報値】
- 全国 19,959 15.8
- 北海道 951 18.0
- 青森 224 17.7
- 岩手 269 21.7
- 宮城 407 17.6
- 秋田 215 21.9
- 山形 193 17.7
- 福島 356 19.1
- 茨城 458 15.9
- 栃木 362 18.6
- 群馬 375 19.2
- 埼玉 1,100 15.0
- 千葉 977 15.6
- 東京 2,107 15.2
- 神奈川 1,057 11.5
- 新潟 445 19.8
- 富山 184 17.5
- 石川 172 15.0
- 福井 123 15.9
- 山梨 182 22.3
- 長野 357 17.3
- 岐阜 343 17.2
- 静岡 602 16.5
- 愛知 1,062 14.1
- 三重 299 16.7
- 滋賀 252 17.8
- 京都 322 12.4
- 大阪 1,191 13.5
- 兵庫 868 15.8
- 奈良 224 16.7
- 和歌山 173 18.5
- 鳥取 80 14.3
- 島根 109 16.0
- 岡山 271 14.3
- 広島 438 15.5
- 山口 211 15.4
- 徳島 113 15.4
- 香川 149 15.5
- 愛媛 229 16.9
- 高知 130 18.4
- 福岡 810 15.9
- 佐賀 149 18.2
- 長崎 206 15.4
- 熊本 281 16.0
- 大分 186 16.3
- 宮崎 201 18.6
- 鹿児島 307 19.0
- 沖縄 239 16.5