後部座席のシートベルト着用率は、一般道路で4割、高速道路でも7割止まり
シートベルトの着用率調査
警察庁が、日本自動車連盟(JAF)と共同で行なった「シートベルト着用状況調査」の結果を公開しています。
2019年11月に行なわれた調査では、一般道路と高速道路において、シートベルトを着用しているかどうかを調査したものです。
一般道路の後部座席では4割を切る
一般道路のシートベルト着用率は、運転席が「98.9%」、助手席が「95.9%」と9割を超えています。
しかし、後部座席の着用率は「39.2%」と半分にも満たない状態です。
なお、2008年6月施行された道路交通法により、シートベルトの着用は運転者、助手席、後部座席のいずれも義務となっています。
過去のデータを見ると、2008年以降は後部座席の着用率が上がっているのですが、それでも4割以下に留まっています。
一般道路の後部座席で、シートベルトの着用率が低いのは、交通違反を犯したときに加算される「違反点数」の制度も影響しています。
一般道路では、運転席と助手席に座っている人がシートベルトを着用していないと、運転手に「1点」ずつ加算されます。
しかし、後部座席に座っている人がシートベルトを着用していないくても加算されません。
たった「1点」とはいえ、加算されるかされないかは、ドライバーにとって大きな差と感じられるでしょう。
高速道路でも後部座席は7割ちょっと
高速道路のシートベルト着用率は、運転席が「99.6%」、助手席が「98.3%」でした。
そもそも、高速道路を運転するのに、シートベルトをしていない人が、少しでもいるということが驚きです。
高速道路を運転する場合のシートベルトが義務化されたのは1985年のことなので、周知は行き届いているはずですが、それでも、着用しない人はしないということでしょう。
そして、後部座席の着用率は、「74.1%」に留まっています。
さすがに一般道路よりも着用率が高くなっていますが、それでも7割ちょっとしかいません。
なお、高速道路でのシートベルトの未着用の違反点数は、後部座席も含めて「1点」ずつ付きます。
後席でもシートベルトをしないと危険
シートベルトは、身体をシートに固定することで、座席から投げ出されて負傷することを防ぐための装備です。
現在、ほとんどの自動車には、事故の際の衝撃を弱めるエアバッグが装備されています。
しかし、これもシートベルトが着用されていることが前提となっています。エアバッグがあるから、シートベルトをしなくても良いということではありません。
自動車を使って安全に移動するためには、運転席と助手席だけではなく、後部座席に乗る人にもシートベルトを着用してもらいましょう。