後部座席のシートベルト着用率は、一般道路で4割、高速道路でも7割止まり

[2020/1/31 00:00]

シートベルトの着用率調査

警察庁が、日本自動車連盟(JAF)と共同で行なった「シートベルト着用状況調査」の結果を公開しています。

2019年11月に行なわれた調査では、一般道路と高速道路において、シートベルトを着用しているかどうかを調査したものです。

一般道路の後部座席では4割を切る

一般道路のシートベルト着用率は、運転席が「98.9%」、助手席が「95.9%」と9割を超えています。

しかし、後部座席の着用率は「39.2%」と半分にも満たない状態です。

なお、2008年6月施行された道路交通法により、シートベルトの着用は運転者、助手席、後部座席のいずれも義務となっています。

過去のデータを見ると、2008年以降は後部座席の着用率が上がっているのですが、それでも4割以下に留まっています。

一般道路の後部座席で、シートベルトの着用率が低いのは、交通違反を犯したときに加算される「違反点数」の制度も影響しています。

一般道路では、運転席と助手席に座っている人がシートベルトを着用していないと、運転手に「1点」ずつ加算されます。

しかし、後部座席に座っている人がシートベルトを着用していないくても加算されません。

たった「1点」とはいえ、加算されるかされないかは、ドライバーにとって大きな差と感じられるでしょう。

出典:警察庁

高速道路でも後部座席は7割ちょっと

高速道路のシートベルト着用率は、運転席が「99.6%」、助手席が「98.3%」でした。

そもそも、高速道路を運転するのに、シートベルトをしていない人が、少しでもいるということが驚きです。

高速道路を運転する場合のシートベルトが義務化されたのは1985年のことなので、周知は行き届いているはずですが、それでも、着用しない人はしないということでしょう。

そして、後部座席の着用率は、「74.1%」に留まっています。

さすがに一般道路よりも着用率が高くなっていますが、それでも7割ちょっとしかいません。

なお、高速道路でのシートベルトの未着用の違反点数は、後部座席も含めて「1点」ずつ付きます。

出典:警察庁

後席でもシートベルトをしないと危険

シートベルトは、身体をシートに固定することで、座席から投げ出されて負傷することを防ぐための装備です。

現在、ほとんどの自動車には、事故の際の衝撃を弱めるエアバッグが装備されています。

しかし、これもシートベルトが着用されていることが前提となっています。エアバッグがあるから、シートベルトをしなくても良いということではありません。

自動車を使って安全に移動するためには、運転席と助手席だけではなく、後部座席に乗る人にもシートベルトを着用してもらいましょう。

後部座席のシートベルトをしていないと、衝突時に前の席に突っ込んでしまう 出典:JAF
[シニアガイド編集部]