4月から、4千円安くなる自動車の自賠責保険
4月からの値下げが決定
自動車を持っている人が、強制的に加入している「自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)」の保険料が、2020年4月から引き下げられます。
例えば、普通車や軽自動車の2年契約では、約4千円程度の値下げとなります。
そして、引き下げられた保険料は、2020年からの5年間変わりません。
金融庁の資料をもとに、保険料の値下げ幅と値下げの理由を紹介しましょう。
2年契約で4千円安くなる
自賠責保険の保険料率は、金融庁の審議会で決定されます。
2020年1月に、保険料率の基となる「自賠責保険基準料率」の引き下げが決定されました。
保険料の具体的な引き下げ幅は、車種や契約期間によって変わります。
ここでは、一般的な「自家用乗用車」と、乗用の「軽自動車」について紹介しましょう。
「自家用乗用車」で2年契約の場合、これまでの保険料は「25,830円」でした。
これが4月からは、「21,550円」になります。
差し引きで「4,280円」安くなり、値引率でいうと16.6%下がります。
乗用の「軽自動車」の2年契約では、これまでの「25,070円」が「21,140円」に下がります。
値引き幅は「3,930円」、値引率は15.7%です。
家庭用の自動車の場合、2年契約で4千円ぐらい下がると思えば良いでしょう。
なお、これらの保険料は、「沖縄県」と「離島地域」以外の地域のものです。
沖縄県と離島地域では、それ以外の地域よりも安い保険料率が用意されています。
交通事故が減ると保険料が下がる
自賠責保険の保険料は、どうして下がったのでしょうか。
一言でいうと、交通事故が減り、それに伴って保険金を支払う件数が減ったからです。
例えば、2011年の交通事故件数は約73万件で、死者は4,979人でした。
しかし、2019年には、件数は約38万件、死者は3,215人に減りました。
自賠責保険が支払った保険金も、2011年の「8,476億円」から、2019年は「7,110億円」に下がり、2020年はさらに減る見通しです。
交通事故が減ったことによって、支払われる保険金が減り、それが保険料の引き下げにつながったのです。
自賠責保険だけでは危ない
最後に、「自賠責保険」と任意の「自動車保険」の違いについて紹介しましょう。
自賠責保険は、自動車を所有していると、強制的に加入させられます。
ただし、補償の範囲は狭く、交通事故でケガをした相手が対象となる「対人(たいじん)」だけです。
そして、「自賠責保険」の上限は、あまり高くありません。
- 傷害 120万円まで
- 死亡 3,000万円まで
- 後遺障害 4,000万円まで
つまり、交通事故で負傷させてしまった人を保護する最低限の保険でしかありません。
一方、任意で加入する「自動車保険」は、対象となる範囲が広く、補償金額も大きくすることができます。
例えば、「対人賠償」のほかに次の補償が用意されています。
- 相手の自動車などの「対物賠償」
- 自分や同乗者を対象とする「人身傷害」「搭乗者傷害」
- 自分の自動車を対象とする「車両保険」
さらに、保険会社によっては、補償の範囲を広げる「特約」が用意されています。
例えば、水害や地震による自動車の破損を補償する特約もあります。
自動車を運転するときは、「自賠責保険」だけではなく、「自動車保険」にも加入して、自分自身の命や自動車を守ってください。