ソニー銀行、IT系フリーランス専用の住宅ローン

[2020/2/19 00:00]

フリーランスと社会的信用

一般的に、フリーランス(自営業)は、会社勤めのサラリーマンよりも社会的な信用が低く、お金を借りるときに苦労することがあります。

住宅ローンもその一例で、マンションのモデルルームや、一戸建て住宅の住宅展示場などで、こちらの職業が「自営業」とか「フリーランス」であると分かると、いきなり相手の態度が冷めてしまうことが珍しくありません。

そういう事情もあって、持ち家を欲しいと思っていても、住宅ローンを敬遠して、借家住まいをしているフリーランスという例もあります。

IT系フリーランス専用の住宅ローン

ソニー銀行が始めた「ギークス提携住宅ローン」は、IT系のフリーランス専用という珍しい住宅ローンです。

この住宅ローンは、IT人材事業を行なっている「ギークス」との提携で開発されました。

IT系限定とはいえ、フリーランスを対象とした住宅ローンは珍しい存在です。

住宅ローンは、ギークスが行なっているITフリーランス向け福利厚生サービス「フリノベ」から申し込みをする仕組みです。

「フリノベ」の利用にあたっては、ギークスの会員登録が必要となります。

ありがたいことに、基本的にはWeb サイトだけで手続きできる「電子契約サービス」が導入されています。

「3年以上の実績」が必要

「ギークス提携住宅ローン」の要点を見ていきましょう。

まず、本人の条件です。

  • ITフリーランスとして3年以上の実績がある
  • 申込みの時点で、ITフリーランスとして業務を行なっている
  • 直近3年分の確定申告書の写しを提出できる

つまり、少なくとも3年はフリーランスとして働いており、きちんと確定申告をしている人が対象となります。

対象物件などの情報を見てみましょう

  • 融資金額:500万円以上2億円以下で10万円単位
  • 融資対象:本人が住む新築マンションの購入、中古マンションの購入及び借り換え
  • 借り換えの場合はマンションではなく、一戸建ても可能

対象物件は、基本的にはマンションに限定されています。

上限金額は2億円なので、高額な都心のマンションでも問題はないでしょう。

「金利」と「返済期間」は個別条件

「ギークス提携住宅ローン」の仕様を見ていて気が付くのは、「金利」と「返済期間」が明記されていないことです。

金利については、固定型と変動型が用意されていますが、利息の具体的な数字はありません。

返済期間については、表記自体がありません。

このあたりは、その人の信用状態によるので、あえて表記していないのでしょう。

つまり、ちゃんと稼いでいる人であれば、大きな金額を低い金利で長期に、そうでない場合は、少なめの金額を高めの金利で短い返済期間で、ということになります。

ITフリーランスの経済状態は、人によって差が大きいので、仕方のないところでしょう。

それでも、銀行窓口などで相談することに気が引けてしまうフリーランスにとって、“フリーランス歓迎”と名乗っている住宅ローンはありがたい存在です。

最初に試してみる住宅ローンの“窓口”として有効でしょう。

そして、自分の信用状態が判断できたら、他の銀行でもローンの見積もりを取って、条件を比べてみましょう。

[シニアガイド編集部]