銀行カードローンの平均借入金額は「158万円」。借金が年収を超える人も
カードローン利用者の実態調査
一般財団法人 全国銀行協会が、「銀行カードローンに関する消費者意識調査」の結果を公開しています。
2020年1月に行なわれたインターネット調査には、20歳から69歳の男女3,000人が回答しています。
「銀行カードローン」とは、銀行が個人に行なう現金の貸付けの一種です。
「銀行カードローン」は、申し込みが済んでいれば、あらかじめ決められた利用限度額まで、いつでも必要なときにATMを使って借り入れができます。
人に会うことなく、手軽にお金が引き出せるので借金がしやすく、金融庁から借りすぎが警告されています。
借金の平均金額は「158万円」
銀行カードローンは、本人の信用状態によって、借金の限度額が決まっています。
例えば、三井住友銀行の場合、限度額は10万円~800万円の範囲で決まります。
その人の信用状態によって、借りられる金額が80倍も異なるのです。
また、金利も年利で4.0%~14.5%と、3倍以上も差があります。
では、実際には、どれぐらいの金額を借りているのでしょうか。
銀行カードローンを利用している1,868人を対象に、「現在の借入総額」を聞いています。
借入総額の平均は「158万1千円」でした。
しかし、分布を見ると、1万円から200万円以下まで、ほぼ同じ割合です。
そして、回答者の多くが「50万円以下」に留まっている一方で、「1,000万円以上」の人もいることがわかります。
借金が年収の3分の1を超えている人が半分近くいる
では、これらの借金の金額は、自分の年収に対して、どれぐらいの割合なのでしょうか。
回答者の半分以上は、借金が「年収の3分の1以下」です。
銀行カードローンでは「総量規制」と言って、個人が利用する借り入れは「年収の3分の1」に制限されています。
ですから、「年収の3分の1」までが、本来あるべき借金の状態と言えます。
しかし、実際には4割以上の人は、借金の総額が、「年収の3分の1」を超えています。
中には「借金の総額が年収を超える」人もいます。
こうなると、普通の手段では借金を返すことは難しいでしょう。
1年経っても返せない人の方が多い
次に、銀行カードローンを利用し始めた、つまり、借金を始めた時期を聞いています。
一番多いのは「1~3年」で、全体の半分を占めています。
次に多いのが「4年以上前」です。
つまり、いったんお金を借りてしまうと、1年以上経っても返せない人が多いのです。
借りている期間が長いということは、その分、利息が付くということですから、望ましいことではありません。
2社以上から借りる「多重債務」の人が多い
最後に、現在、借り入れをしている銀行などの件数を聞いています。
一番多いのは「1社だけ」ですが、その割合は、4割もありません。
半分以上の人は、複数の会社から借りる「多重債務」の状態になってしまっています。
多重債務に陥ると、借金が増えたり、返済が滞りやすくなります。
銀行カードローンを利用する際は、できるだけ少額で、1社だけから借り、計画的に返済しましょう。
カードローンの利息は高いので、いつでも返せると思っていると、いつのまにか借金が増えてしまいます。
さらに、多重債務に陥ると、借金の返済のために借金をする生活になりかねません。
お金を借りるときは、どのように返すのかを決めてから、計画的に利用してください。