コロナ予防に使う「消毒用アルコール」などの事故を警告
[2020/4/23 00:00]
コロナ予防で身近になった消毒用アルコール
新型コロナウイルス感染症の予防対策として、消毒用アルコールなどの薬品を使用する機会が増えています。
それに伴い、薬品の不適切な管理や、誤った使い方による事故が発生するようになりました。
公益財団法人 日本中毒情報センターでは、除菌剤や消毒剤などの薬品を正しく使うように、警告を発しています。
中毒の問い合わせが急増
2020年に入ってから、日本中毒情報センターが運営する「中毒110番」への、一般からの問い合わせが増加しています。
これは、これまで消毒剤などになじみがなかった人が、新型コロナウイルスの予防のために使い始めたことが原因でしょう。
ペットボトルへの移しかえも原因
問い合わせの中には、次のような誤った使い方による事故がありました。
- ペットボトルに入れて保存していた除菌剤や消毒剤を、水と間違えて飲んでしまった。
- 消毒用エタノールと間違えて、燃料用メタノールを購入し、手の消毒に使用した。
- 除菌スプレーと間違えて、カビ取り剤をマスクにスプレーして装着した。
これまで、重症例は出ていませんが、一歩間違えれば命に関わりかねません。
このような事故が起きる原因の一つに、手に入りにくくなった除菌剤などを小分けにして譲り受けていることが挙げられます。
譲り受ける際に、飲料用のペットボトルを使い、誤って飲んでしまうのです。
また、消毒用エタノール(エチル)と燃料用メタノール(メチル)は、異なる製品です。メチルは有毒で、少量でも失明などの健康被害が出る恐れがあります。
中毒事故を防ぐ6つのポイント
日本中毒情報センターでは、中毒事故防止のために、6つの注意を挙げています。
- 除菌剤、消毒剤などを購入して使用する際は、用途や使用方法を確認する。
- 飲料用ペットボトルへの移し替えはしない。
- 自治体から配布される除菌剤は専用の容器に保存し、ラベルを貼って除菌剤であることを明記する。
- 冷蔵庫には保管しない。
- 子供の手の届くところには保管しない。
- 新型コロナウイルス感染症の予防や治療目的で、自己判断で薬品を服用しない。
健康を守るための除菌剤や消毒薬で、健康被害に遭わないためにも、薬品の取り扱いにはくれぐれも注意を払ってください。