消費者庁が「新型コロナウイルスの予防効果」を訴える41製品を警告
消費者庁が再び警告
消費者庁が、「新型コロナウイルスの予防効果」があるとする製品について警告を発しています。
これは3月10日に公開された46製品の摘発に続くもので、今回は34事業者に41製品に対して改善要請が行なわれました。
これらの製品は、いずれも「新型コロナウイルスに対する予防効果がある」という趣旨の表示をしていました。
3つの分野で根拠のない表示
消費者庁が警告の対象としている製品は、次の3つの分野です。
- 健康食品 38製品
- アロマオイル 2製品
- 光触媒スプレー 1製品
これらの製品は、次のような表示で、新型コロナウイルスへの有効性を訴えていました。
健康食品
- コロナウイルスの感染予防には、免疫力強化に即効性のあるビタミンC、ビタミンDサプリメントの摂取がお勧め
- 新型コロナウイルス感染症対策&免疫力アップにオリーブ葉エキスが有効!
- 深海サメの肝油に含まれているアルキルグリセロールという成分が、新型コロナウイルスによる人体の免疫力破壊に対抗できる
- マスク入手が困難な今、マヌカハニーの力が、感染症からあなたを守る!
- 新型コロナウイルス感染防止策に青汁
- 新型コロナウイルスが世界各地で確認、松種子エキスの抗ウイルス作用
- 新型肺炎コロナウイルスの予防にはたんぽぽ茶
- 緑茶に含まれるカテキン類が新型コロナウイルスに効果的
- 新型コロナウイルス対策に「あおさ海苔」
- 新型コロナウイルス肺炎対策に、肺炎の改善に関する特許を取得した乳酸菌
- ウコンで新型コロナウイルス対策
- 水素水・水素サプリ、新型コロナウイルスを水素で体内から駆逐することは可能
赤い字の部分は、健康食品の種別や製品名です。
こうしてみると、主要な健康食品の多くが、新型コロナウイルスへの有効性を訴えています。
メーカーや販売店が、今こそチャンスと、張り切っている様子が分かります。
アロマオイル
- 新型肺炎対策用ブレンド精油、体内に入り込む前に精油を使って防御
- 非常に強力な抗菌、免疫賦活の特質の精油を配合、新型コロナウイルス(COVID-19)の予防対策用ブレンド精油。ラビィンツァラ、タイム、スターアニス、ジンジャー、シナモンカシア他12 種類の精油をブレンド。
アロマオイル(精油)の場合は、“特別なブレンド”を訴えるパターンが多いようです。
単体の素材だと有効性に限界があるとわかっていても、特別な調合であると言われると、なんとなく効きそうな気がしてしまうからでしょう。
光触媒スプレー
- 新型コロナウイルス、脅威のウイルス対策に、光触媒により菌やウイルスの根本となるDNAを破壊し不活化、光触媒でウイルス不活化全身ガード!
新型コロナウイルスを含むコロナウイルスの遺伝子は「DNA」ではなく「RNA」です。
ちょっと調べれば分かることなのに、それすらしていないことがバレてしまっています。
これだけでも、機能表示のいいかげんさが分かります。
現時点では、有効であることを証明できない
現時点では、新型コロナウイルスの全貌は明らかにはなっていません。
そのため、民間の施設では、有効性を確認する試験もできません。
つまり、その製品が新型コロナウイルスに有効であることを、事業者や民間の機関が証明することはできないのです。
したがって、現時点で、新型コロナウイルスへの有効性を訴えている表示には、客観性も合理性もありません。
それらは、嘘か願望であって、事実ではありません。
これらの表示は「景品表示法」(優良誤認表示)や「健康増進法」(食品の虚偽、誇大表示)の規定に違反するおそれが高いのです。
前回摘発された製品の表示は改善
消費者庁によれば、前回摘発された46製品の表示は、すべて改善されました。
しかし、今回の摘発の内容をみれば分かる通り、健康食品をはじめとする多くの製品において、新型コロナウイルスへの有効性を訴える怪しげな表示は増えています。
むしろ、新型コロナウイルスへの警戒が強まれば強まるほど、増えていくことでしょう。
新型コロナウイルス感染症については、東京都による自粛要請などによって、社会における不安が高まっています。
こういう時期に、新型コロナウイルスへの有効性を訴える製品があれば、それにすがりたくなるのは当然です。
しかし、その弱みにつけこむ業者に騙されてはいけません。
怪しげな商品に頼るのではなく、回り道のようでも、「手洗い」や「不要不急の外出の自粛」などの基本的な予防法を確実に行なうことが、感染を予防する近道なのです。