コロナの影響で生活が苦しくなったら、生保と損保の保険料を待ってもらおう

[2020/5/8 00:00]

保険料は猶予の期間が長い

新型コロナウイルスの影響で収入が減ったときは、入ってくるお金を増やすのと同時に、出ていくお金を減らすことが必要です。

しかし、電気代やガス代などは、手間をかけて猶予(ゆうよ)してもらっても、1カ月から2カ月しか支払いが延びません。

これではまた、すぐに支払いに苦しむことになってしまいます。

こういうときに有効な手段が、生命保険や損害保険の保険料を猶予してもらうことです。

生保は「保険会社が定める日から最長6カ月間」、損保は「2020年9月30日」まで、保険料の払込を猶予してくれます。

これは監督官庁の要請を受けた業界団体の方針ですから、すべての保険会社が従っているはずです。

これぐらい長く支払いを待ってもらえれば、自分の経済状態も変わる可能性が高く、猶予してもらう甲斐があると言えるでしょう。

ここからは、スムーズに保険料を猶予してもらうための方法を紹介しましょう。

「保険証書」を用意してから電話をする

生保でも損保でも、保険料の支払い猶予の申し込みは、各保険会社のコールセンターに電話します。

まず、電話をする前に、「保険証書」を探して用意しておきましょう。

証書に記載されている「契約番号」があると、話がスムーズに進みます。

コールセンターの電話番号は、証書に書かれているものでも良いのですが、その保険会社のホームページで確認することをお勧めします。

会社によっては「新型コロナウイルス対策」専用の電話番号を用意しているので、そちらに掛けてください。

今の時期はコールセンターが混み合っているで、つながるまで何度でも掛けてください。

電話がつながると、最初に身元確認のために、「住所」「氏名」「電話番号」「生年月日」などを聞かれますので、すぐに言えるようにしておきましょう。

身元確認が終わったら、次の3点を伝えます。

  • 「新型コロナウイルスの影響で、保険料の支払いが困難である」
  • 「保険協会のホームページで支払いを猶予してもらえると書いてあるのを見た」
  • 「契約番号xxxxxxの保険について、保険料の支払いの猶予をお願いしたい」

ほとんどの場合、最初の電話だけでは終わらず、必要な書類を郵送してもらい、猶予の手続きを申し込むことになります。

生命保険の場合は「契約貸付」も聞いてみる

電話をする相手が「生命保険」の場合は、もう一つ仕事があります。

それは「契約貸付」が可能かどうかの確認です。

契約貸付とは、生命保険の解約払戻金の範囲内で、お金を貸してくれる制度です。

つまり、毎月の保険料で積み立てているお金の一部を貸してくれるわけです。

通常は、借りたお金には金利がかかるのですが、コロナウイルス対策として、今は金利がゼロになっていることが多いのです。

もともとは自分が積み立てたお金ですし、利息がないので、よそから借金をするぐらいなら、これを借りましょう。

コールセンターに電話をする際に、次の3点を確認します。

  • 自分の保険契約で「契約貸付」が可能かどうか
  • 可能であるとしたら、いくらまで借りられるか
  • 借りる時の金利は何%か

貸付が可能な場合は、必要な書類を郵送してもらいます。

保険契約の内容や、払込をした期間にもよりますが、生活費の足しになるぐらいの金額は借りられることが多いでしょう。

金利が「0%」でない場合は、「いまはコロナ対策で金利がゼロになっていると聞いたのですが」と念のために確認してください。

いつかは払うお金であることを忘れずに

生保や損保の保険料は、支払いを待ってもらう対象としては、なかなか気が付きにくい存在です。

しかし、業界団体が率先して対応をしているので断られる可能性が少ない上に、猶予期間が長いので、手間をかけて猶予してもらうだけの意味があります。

また、生命保険の「契約貸付」も、知らないと気が付きにくいお金です。

とりあえず、どれぐらい借りられるものか、聞いておいても無駄ではありません。

金利の高い銀行のカードローンなどに手を出すぐらいなら、これを借りておくほうが安全です。

忘れてはならないのは、「猶予」は支払いを待ってもらえるだけであって、いつかは払わなければならないということです。

猶予でできた時間を利用して、生活を立て直し、収入が得られる方法を探りましょう。

同じように「契約貸付」についても、万が一のときの保険の原資ですから、いつかは返すことが前提です。

「契約貸付」を返済することができず、生命保険契約自体を解約することになり、万が一に備えた保障を失くしてしまわないように注意してください。

[シニアガイド編集部]