「新型コロナウイルス感染症はいつ終息する」医師1,346人が回答
[2020/5/11 00:00]
千人以上の医師にアンケート
医療機関向けのサポート事業を行なう「医師のとも」が、「新型コロナウイルスの終息時期」についてのアンケート結果を公開しています。
この場合の「終息(しゅうそく)」とは、新型コロナウイルス感染症の流行が終わるという意味です。
2020年5月に行なわれたインターネット調査には、20代~80代の医師1,346人が回答しています。
3人に1人が「2021年7月以降」と回答
アンケートでは、「新型コロナウイルス感染症の流行について、国内での終息はいつ頃になると思われますか」と聞いています。
一番多い回答は「2021年7月以降」で、33.5%でした。
つまり、医師の3人に1人は、来年の7月になっても、まだ流行が終わっていないと考えています。
終息せずに根付く可能性も
ここからは、その終息時期を選んだ理由のコメントを紹介します。
2020年6月~7月
- 4月末の時点で東京都での新規感染者数が明らかに減ってきたため、このままのペースでいけば、今回の第一波についてはあと1カ月程度で終息するように思う(50代、脳神経外科、勤務医)
2020年8月~9月
- 順調に感染者が減少した場合、流行曲線から推測して、少なくとも残り3カ月程度はかかると考えられるため(20代、一般内科、勤務医)
- 緊急事態宣言終了後も、ある程度自粛を心がければ終息可能(50代、一般外科、勤務医)
2020年10月~12月
- 例年のコロナウイルスは、高温多湿に弱いと言われているため(30代、耳鼻咽喉科、勤務医)
- PCRを含め、抗原検査、抗体検査等を組み合わせて、感染者の可視化が十分行えるようになるから(60代、神経内科、フリーランス)
2021年1月~3月
- 国民の70%以上が免疫を獲得するためにはワクチン接種が欠かせないが、ワクチンが出回るのは来年初頭と思うため(70代、小児科、開業医)
2021年4月~6月
- 第2波以降の感染増加は今後も起こり、それらが終息するには、全世界の流行状況からも最低1年はかかる(60代、産婦人科、開業医)
- コロナを恐れなくなる社会が来て、ワクチンが行き届き、アビガンが開業医で処方できるようになるのはこのくらいかかる(40代、内科、開業医)
2021年7月以降
- ワクチンが出来たとしても、従来のワクチン対応と同じなら、日本国内ではそれほど早く承認されないだろうから(60代、婦人科、勤務医)
- 無症状、軽症者などの隠れ感染者を拾い上げていないので、院内感染、家族内感染が持続する(50代、一般内科、開業医)
- 自粛をすれば感染スピードは抑えられるが、経済活動や海外との渡航再開によって、さらなる感染が広がってしまう(30代、小児科、勤務医)
- 終息せずに、新型インフルのように季節性インフルエンザとなって根付く可能性がある(40代、麻酔科、勤務医)
気を緩めずに予防に努めよう
新型コロナウイルス感染症が、いつ終息するのかは誰にもわかりません。
今回の医師に対するアンケートでも、その予測には幅があります。
しかし、収束するまでに長期間を要するであろうと考えている医師が多いことも事実です。
新型コロナウイルス感染症が長期化する恐れがあることは覚えておきましょう。
そして、一部で経済活動が再開されても気を緩めずに、「3つの密」を避けてマスクを着用するなどの予防に努め、自分自身の身を守りましょう。