家庭用洗剤に含まれる界面活性剤でコロナウイルスが消毒できる
国の機関による本格的な検証
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(略称:NITE)が、家庭用洗剤で使用されている「界面活性剤」によって新型コロナウイルスが消毒できると発表しました。
NITE(ナイト)では、家庭や職場におけるアルコール以外の消毒方法の選択肢を増やすために、新型コロナウイルスに有効な消毒方法を探しています。
今回、国立感染症研究所と北里大学の協力を得て、「界面活性剤」が新型コロナウイルスを不活性化することが実証されました。
有効とされた界面活性剤は、家庭用洗剤でも使われています。
つまり、家庭用洗剤を薄めて使用することで、安く簡単な方法で新型コロナウイルスの消毒を行なうことができます。
「界面活性剤」による消毒の有効性を確認
現時点で、有効性が実証された界面活性剤は、次の7種です。
- 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
- アルキルグリコシド(0.1%以上)
- アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
- 塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
- ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)
- 塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)
- 塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)
これらの界面活性剤は、家庭用洗剤の主成分としても使用されています。
NITEによれば、住宅家具用洗剤では「マイペット」「マジックリン」「バスピカ」など、台所用洗剤では「キュキュット」「ジョイ」「チャーミー」などが、これらの界面活性剤を含んでいます。
界面活性剤を含む製品名の一覧は、こちらにあります。
薄めた液を布に浸して拭く
実際に、家庭用洗剤で消毒を行なう際は、どのようにすれば良いのでしょうか。
まず、使用する家庭用洗剤の成分が、有効性が確認された界面活性剤であることを確認します。
そして、次のような手順で行ないます。
- 洗剤うすめ液を作る
- 消毒の対象の表面を、うすめ液をひたした布などで拭き取る
- 水拭きをして、洗剤を拭き取る
- 最後に乾拭きをする
なお、次の点に注意してください。
- 手指や皮膚には使用しない
- スプレーボトルでの噴霧はしない
- 作りおきはしないで使い切る
- 対象がプラスチックの場合は、すぐに拭き取る
- 塗装された表面、布、木、壁は痛めたり染みになるので避ける
怪しげ製品を買うよりも家庭用洗剤を使おう
今回のNITEの確認作業によって、安価で簡単な手段で、新型コロナウイルスの殺菌ができることが分かりました。
さらにNITEでは、新型コロナウイルスの消毒に使用できる物質の確認を進めています。
今後も、新型コロナウイルスを消毒する手段は増えていきますから、あわてて怪しげな除菌製品に手を出さないようにしましょう。
【2020年6月1日追記】
有効性が確認された界面活性剤が2つ追加されたので、情報を更新しました。