新型コロナウイルスに関して流れた17本のデマ
「間違っている」と確認されている17の情報
総務省が、新型コロナウイルスに関して流通した、「デマ」、つまり誤った情報の例を17本挙げています。
これは、総務省が5月に行なった「新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査」という世論調査の中で公開されたものです。
17本の情報は、信頼性を確認するファクトチェックの結果、真実ではないことが確認されています。
さっそく、その情報を見てみましょう。
後ろの数字は、その情報を見聞きした時に「正しい情報だと思った」人の割合です。
- 死体を燃やした時に発生する二酸化硫黄(亜硫酸ガス)の濃度が武漢周辺で大量に検出された 32.8%
- 新型コロナウイルスについて、中国が「日本肺炎」という呼称を広めようとしている 28.8%
- こまめに水を飲むと新型コロナウイルス予防に効果がある 28.7%
- ビタミンDは新型コロナウイルス予防に効果がある 24.0%
- 武漢からの発熱症状のある旅客が、関西国際空港の検疫検査を振り切って逃げた 21.5%
- 新型コロナウイルスは、中国の研究所で作成された生物兵器である 21.0%
- 日赤病院が「コロナ病床が満床」「現場では医療崩壊のシナリオも想定」といった発表を行った 19.5%
- お茶/紅茶を飲むと新型コロナウイルス予防に効果がある 18.0%
- 日本で緊急事態宣言が発令されたら3週間ロックダウン(外出禁止) 15.5%
- ニンニクを食べると新型コロナウイルス予防に効果がある 14.8%
- 日本政府が4月1日に緊急事態宣言を出し、2日にロックダウン(外出禁止)を行なう 14.8%
- 納豆を食べると新型コロナウイルス予防に効果がある 9.6%
- 新型コロナウイルスは熱に弱く、お湯を飲むと予防に効果がある 8.1%
- トイレットペーパーは中国産が多いため、新型コロナウイルスの影響でトイレットペーパーが不足する 6.2%
- 新型コロナウイルスは5Gテクノロジーによって活性化される 4.4%
- 漂白剤を飲むとコロナウイルス予防に効果がある 3.1%
- 花崗岩(かこうがん)などの石はウイルスの分解に即効性がある 2.4%
誤った情報の傾向を見ると、流行初期の武漢に関連した情報と、「~をすれば感染しない」という予防方法が多いことが分かります。
「~をすれば感染しない」というパターンでは、「水」「ビタミンD」「お茶/紅茶」「にんにく」「納豆」「漂白剤」などを摂ることが挙がっています。
「漂白剤」のように、常識的に考えて人体に有害と思えるようなものでも、3%の人は信じてしまうのです。
誤った情報に接するのは「Twitter」が多い
新型コロナウイルスに関する誤った情報は、どこで目にしているのでしょうか。
「見かけたことがある」という場所を、多かった順に見ると、「Twitter」が抜群に多く、57%の人が挙げています。
次に多いのが「ブログやまとめサイト」「Yahoo! ニュース」「Facebook」「民間放送(テレビ、ラジオ)」で、30%を超えています。
傾向を見ると、Twitterやブログ、Facebookのように、個人が書いた情報が、そのままの状態で流通するメディアが多いことが分かります。
3人に1人は誤った情報を拡散してしまう
ある情報を受け取ったときに、その情報を誰かに話して「共有」したり、自分の持つSNSのアカウントで投稿して「拡散」して、広めることができます。
誤った情報について、「共有」や「拡散」をした人の割合は35.5%でした。
誤った情報を受け取った人の3人に1人は、自分でも、その情報を広めてしまうのです。
ちなみに「共有」や「拡散」をした理由は、「役に立つ情報だと思った」や「興味深いから、流行の話題だから」が多くなっています。
そして「情報について真偽を調べた」という人は、全体の30.5%しかいません。
つまり、その情報が本当かどうかよりも、それがその場にマッチした情報だと思えば広めてしまう人の方が多いのです。
間違った情報だと気がつくきっかけは「テレビ」
その時は「正しい情報」と思っても、なにかのきっかけで「間違った情報」であると気がつくことがあります。
では、間違った情報だと気がつくきっかけは、何が多いのでしょうか。
一番多かった回答は「テレビ」です。回答者の30%を超えています。
次に多いのは「ネットニュース」でした。
そして、「このアンケートで初めて知った」人もいます。
つまり、このアンケートを見るまでは、誤った情報を正しいと信じていた人が17%もいるのです。
違和感を感じたら真偽を調べてみよう
新型コロナウイルスのように大きな災厄が訪れると、必ず、それに関する誤った情報が流れます。
それらを「デマ」や「フェイクニュース」と呼ぶと、自分から遠いものに感じるかもしれません。
しかし、誤った情報は、自分の家族や友人との会話や、SNSのタイムラインを流れていく情報など、いつも接していて、信頼できると思っている情報の窓口から、そっと忍び込んできます。
ちょっとでも「おかしいな」「本当かな」と違和感を感じたら、その情報が正しいかどうか、チェックしてみましょう。
せめて、「ちょっと怪しいけど、旬の話題だから」という判断で、その情報を「共有」や「拡散」して広めないようにしてください。