都内企業のテレワーク導入率は「57.8%」。小企業でも半分が導入

[2020/9/18 00:00]

都内の企業に聞いたテレワークの実情

東京都が、「テレワークの導入に関する実態調査」の結果を公開しています。

2020年6月30日に行なわれたインターネット調査には、都内にある従業員30人以上の企業2,034社が回答しています。

1年前に比べて倍以上が導入

テレワークの導入率は「57.8%」でした。

前回の調査では「25.1%」だったので、たった1年間で2倍以上に増えています。

これは、新型コロナウイルスの感染症対策として、テレワークが推奨されたことが理由でしょう。

出典:東京都

小規模な企業でも半分が導入

テレワークの導入率を企業の規模別に見ています。

企業の規模が大きくなるほど、テレワークの導入率は高くなります。

例えば、300人以上の大企業に限ると、テレワークの導入率は「76.8%」に及んでいます。

しかし、従業員数が30人~99人の小規模な企業でも、導入率は「49.0%」で、ほぼ半分の企業が導入しています。

新型コロナ対策として、小規模な企業でも、テレワークの導入が進んだことが分かります。

出典:東京都

最大の効果は「通勤時間の削減」

「テレワークの導入効果」を聞いています。

「効果があった」という回答が一番多いのは「従業員の通勤時間、勤務中の移動時間の削減」でした。

次に多いのが「非常時の事業継続に備えて」です。

また、「通勤に支障がある従業員」「育児中の従業員」「介護中の従業員」への対応策として、効果があったと実感しています。

出典:東京都

テレワークを拡大する意向を持つ企業は4割

テレワークの継続を考えている企業は、全体の8割に及びます。

ただし、テレワークの拡大を考えている企業は、4割に留まりました。

テレワークを継続する意向を持つ企業は多いのですが、積極的に拡大する意向を持つ企業は限られています。

出典:東京都

テレワークに合わせた社会体制の整備が必要

「テレワークの定着・拡大のために必要なこと」を聞いています。

一番多い回答は、「ペーパーレス、はんこレスなどの決裁の社内手続きの簡素化」でした。

テレワーク以前のワークフローを、テレワークで完結する形に修正する必要があるということでしょう。

次に「コミュニケーションツールの導入・充実」が挙がっています。

オフィスでのコミュニケーションが無い分、それを補うためのTV会議システムやチャットツールなどの導入が必要ということでしょう。

また、サテライトオフィスなど「自宅以外の場所でテレワークができる環境」を求める人も少なくありません。

出典:東京都

導入に伴う制度上の問題などリアルな声

最後に、回答した企業から寄せられた意見を紹介します。

制度上の問題や、自社だけでは解決できない問題など、テレワーク導入に伴なう現実が伝わってきます。

  • テレワーク導入にかかわる諸問題(通信費、光熱費、端末周辺器費用、労災認定、交通費)の指針を示してほしい。上記項目の働き方の啓発を積極的に実施してほしい。
  • 就業規則の変更が今回のような緊急事態には対応が追い付きません。それぞれの業務形態、内容に応じて導入しやすいように促していただければと思っております。
  • 下請企業は大企業の慣習に従わざるを得ない業務がある。大企業が率先してペーパレスやハンコレスを導入しないと中小企業がそのために不要な出社を強いられています。
[シニアガイド編集部]