国民生活センターがアルコール消毒液をテスト。30製品のうち8製品が「60%未満」

[2020/9/23 00:00]

アルコール濃度は「60%」が目安

国民生活センターが、アルコール消毒液のテスト結果を公開しています。

手指の消毒に使うアルコール消毒液は、アルコール濃度「70%」が最適、「60%」あれば使用可能とされています。

しかし、国民生活センターがテストした30製品のうち、8製品はアルコールの濃度が60%未満でした。

なお、アルコール濃度の表示には「容量」によるものと「重量」によるものがありますが、この記事では「容量」で統一しています。

アルコール消毒液には規格がある

今回テストされた30製品は、次の3つに分類されます。

  • 医薬品、医薬部外品
  • 化粧品
  • 雑品

「医薬品、医薬部外品」が一番厳しい規定で、アルコール濃度の規定があります。

「化粧品」と「雑品」では、アルコール濃度の規定がなく、メーカー任せになります。

なお、新型コロナウイルス対策の一貫として、アルコール濃度が60%以上の製品であれば、「化粧品」や「雑品」であっても、次のような表示が許されています。

「本製品は医薬品や医薬部外品ではありませんが、消毒用エタノールの代替品として、手指消毒に使用することが可能です」

逆に言えば、アルコール濃度が60%未満でも、このような表示を行なわない限り、違法ではありません。

「化粧品」と「雑品」は玉石混交

国民生活センターのテストの結果、「医薬部外品」の3製品は、いずれも80%の濃度があり、消毒用としてまったく問題ありませんでした。

厳しい規定をくぐり抜けた製品だけに、信頼できる品質です。

一方、アルコール濃度が60%未満だった8製品は、「化粧品」か「雑品」でした。

「化粧品」と「雑品」は、アルコール濃度の規定がないので、玉石混交な状態なのです。

例えば、製品番号14番の東和化粧品「ハンドジェルT」は、極端に濃度が低く、アルコール濃度は20%台でした。

ただし、「化粧品」や「雑品」であっても、本体にアルコール濃度が表示されている製品では、アルコール濃度が極端に低い製品はありませんでした。

うがった見方をすれば、アルコール濃度が低い製品は、誇大表示にならないように、製品にアルコール濃度を表示していないのでしょう。

出典:国民生活センター

確実なのは「医薬品」と「医薬部外品」

国民生活センターでは、消費者へのアドバイスとして、次の3つを挙げています。

  • 流水と石鹸で手洗いができないときの手指の消毒・殺菌には、品質、有効性、人体への安全性が確認された「医薬品」や「医薬部外品」の消毒用アルコールを使用するようにしましょう
  • 「医薬品」や「医薬部外品」が手に入らないときに、アルコールによる除菌等を目的として使用する商品を選択する際には、商品本体に記載の濃度表示を参考にし、60容量%以上のエタノールを含むものを使用すると良いでしょう
  • 高濃度のアルコールは可燃性で、引火の危険性があります。使用する際は火気を避け、使用する場所では換気をしましょう

繰り返しになりますが、「化粧品」や「雑品」では、アルコール濃度の規定がありません。

そのため、アルコール濃度が60%未満であっても、そのこと自体は違法ではありません。購入する際に、製品の表示から自分で判断してください。

アルコール濃度の表示のない製品は、消毒用としては避けた方が無難です。

そして、絶対確実なものが欲しいというときは、「医薬品」か「医薬部外品」を選びましょう。

[シニアガイド編集部]