都内の異状死の1割は「入浴中の死亡」。11月からが危ない季節
[2020/10/8 00:00]
入浴中の死亡者数を調査
東京都監察医務院が、「2020年の入浴中の死亡者数」を公開しています。
東京都監察医務院は、東京23区の「異状死」を調査する施設です。
ここで言う「異状死」とは、事故や事件などが疑われる死亡を指します。
異状死の1割以上が入浴中に起きている
2020年に、東京都監察医務院が扱った案件は「13,984件」でした。
そのうち、死亡直前の行動が入浴中であった事例は「1,494件」で、全体の11%を占めます。
異状死のうち、1割以上は入浴中に起きています。
浴室は事故による死亡率が高く、万一の事態に対する備えが必要な場所なのです。
入浴中の死因は「病死」が多い
入浴中だった「1,494件」のうち、一番多い死因は「病死」でした。
全体の77%を占めています。
次に多いのが「溺水(溺死)」です。
こちらは10%ほどに留まっています。
入浴中の死亡というと、溺れ死ぬことを想像しやすいのですが、実は病死の方がずっと多いのです。
死亡者は「冬」に集中する
入浴中の死亡者数を、月別に見ると、11月から翌年の3月、つまり「冬」に多くなっています。
過去10年の平均を見ても、この傾向は変わりません。
これから、寒い季節に向けて、入浴中の死亡に気をつけなければいけない季節なのです。
浴室や脱衣所の温度に注意して入浴を
東京都監察医務院では、入浴中に注意すべき点を挙げています。
- 飲酒後の入浴は控えましょう。
- 精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴は危険ですので注意しましょう。
- 心筋梗塞、高血圧症、脳血管疾患などの持病のある方は、注意して入浴しましょう。
- 体調不良時の入浴は避けましょう。
- 脱衣場、浴室内の適切な温度調節を行ないましょう。
- 特に、冬場、高齢者の入浴時には家族も心配りをしましょう。
- 一人暮らしの高齢者の方は、特に注意しましょう。
- 熱い湯、長風呂は危険が増しますので注意しましょう。
特に浴室や脱衣所が寒いと、急激な温度差により「ヒートショック」を起こして、心臓や脳に負担を掛けてしまいます。
冬季は、浴室や脱衣所を温めてから入浴してください。
入浴は、一日の疲れを癒す大切な時間です。
上記の注意を守って、楽しく入浴してください。