新型コロナの影響で、介護事業者の倒産が過去最多のペース

[2020/10/9 00:00]

介護事業をコロナが直撃

新型コロナウイルスの影響で「老人福祉・介護事業」の倒産が増加しており、過去最多のペースとなっていることが分かりました。

これは、企業情報調査会社の東京商工リサーチの調査によるものです。

「倒産」は過去最多のペース

東京商工リサーチの調査によれば、2020年1月から9月における「老人福祉・介護事業」の倒産は「94件」でした。

このままのペースでは、年内には120件を超え、過去最多だった昨年の「111件」を上回ると予想されています。

出典:東京商工リサーチ

「3密」が影響する訪問介護の倒産が多い

「老人福祉・介護事業」のうち、倒産が多い業種は、ホームヘルパーなどの「訪問介護事業」が46件、デイサービスやショートステイなどの「通所・短期入所介護事業」が30件でした。

いずれも、働く環境が「3密」になりやすく、感染予防のための負担が大きい職種で、新型コロナウイルスによる影響が大きいことが分かります。

受けている介護が急に止まってしまう

倒産の形態は、事業が停止する「破産」と「特別清算」が、9割以上を占めています。

そのため、倒産した企業の利用者から見ると、いきなり介護が受けられなくなり、他の事業者を探すことを強いられます。

休廃業を含めると600件以上が事業停止に

企業が事業を終了するには、「倒産」以外にも、「休業」「廃業」「解散」などの選択肢があります。

つまり、経済的には企業の継続が可能でも、会社の体力があるうちと考えたり、事業を進める意欲を失って、事業を止めてしまうのです。

介護業界でも、「倒産」に「休業」「廃業」「解散」を加えると、2020年1月から8月で「313件」ありました。

こちらも、過去最多のペースで、2020年の1年間では600件を上回る可能性があります。

つまり、利用している介護サービスが急に受けられなくなる可能性は、意外なほど高いのです。

もし、あなたや家族が介護サービスを利用している場合は、その事業者の経営状況にも注意を払っておきましょう。

そして、万が一の際は、すぐにケアマネジャーに相談してください。

出典:東京商工リサーチ
[シニアガイド編集部]