新型コロナの影響で、介護事業者の倒産が過去最多のペース
介護事業をコロナが直撃
新型コロナウイルスの影響で「老人福祉・介護事業」の倒産が増加しており、過去最多のペースとなっていることが分かりました。
これは、企業情報調査会社の東京商工リサーチの調査によるものです。
「倒産」は過去最多のペース
東京商工リサーチの調査によれば、2020年1月から9月における「老人福祉・介護事業」の倒産は「94件」でした。
このままのペースでは、年内には120件を超え、過去最多だった昨年の「111件」を上回ると予想されています。
「3密」が影響する訪問介護の倒産が多い
「老人福祉・介護事業」のうち、倒産が多い業種は、ホームヘルパーなどの「訪問介護事業」が46件、デイサービスやショートステイなどの「通所・短期入所介護事業」が30件でした。
いずれも、働く環境が「3密」になりやすく、感染予防のための負担が大きい職種で、新型コロナウイルスによる影響が大きいことが分かります。
受けている介護が急に止まってしまう
倒産の形態は、事業が停止する「破産」と「特別清算」が、9割以上を占めています。
そのため、倒産した企業の利用者から見ると、いきなり介護が受けられなくなり、他の事業者を探すことを強いられます。
休廃業を含めると600件以上が事業停止に
企業が事業を終了するには、「倒産」以外にも、「休業」「廃業」「解散」などの選択肢があります。
つまり、経済的には企業の継続が可能でも、会社の体力があるうちと考えたり、事業を進める意欲を失って、事業を止めてしまうのです。
介護業界でも、「倒産」に「休業」「廃業」「解散」を加えると、2020年1月から8月で「313件」ありました。
こちらも、過去最多のペースで、2020年の1年間では600件を上回る可能性があります。
つまり、利用している介護サービスが急に受けられなくなる可能性は、意外なほど高いのです。
もし、あなたや家族が介護サービスを利用している場合は、その事業者の経営状況にも注意を払っておきましょう。
そして、万が一の際は、すぐにケアマネジャーに相談してください。