「老人福祉介護事業」の倒産件数が増加。過去最悪に並ぶ
[2020/1/10 00:00]
2019年の倒産件数は過去最多タイ
調査会社の東京商工リサーチが、「老人福祉/介護事業」の倒産状況を公開しました。
2019年の倒産件数は「111件」で、過去20年で一番多かった2017年と並びました。
2016年から4年連続で、倒産件数が100件を超えており、高止まりした状態が続いています。
訪問介護事業の倒産が半分以上を占める
倒産した企業の業種を見ると、ホームヘルパーが自宅を訪れる「訪問介護事業」が多く、半分以上を占めています。
「訪問介護事業」の倒産件数は、過去最多の「58件」でした。
小さい会社の淘汰が続く
東京商工リサーチでは、「老人福祉/介護事業」の倒産の特徴として、次の4点を挙げています。
- 倒産原因は「販売不振(業績不振)」が多い
- 設立から「5年未満」の会社が多い
- 従業員数が「5人未満」、資本金が「1千万円未満」の小さい会社が多い
- ほとんどが会社が消滅する「破産」で、再建できる会社は少ない
これらの特徴から、「ホームヘルパーなどの人手不足に加え、大手の進出と新規参入組との競合から小・零細規模の事業者の淘汰が相次いでいる」と分析しています。
なお、直近の2019年10月に介護保険の介護報酬が改訂されました。
介護報酬の改訂は、倒産件数に大きく影響するため、2020年の倒産件数の増減が注目されます。