持続化給付金の不正受給で逮捕続く。返還したいときの連絡先
不正受給の返還を呼びかけ
新型コロナウイルス対策として行なわれている「持続化給付金」の不正受給による逮捕が続いています。
「持続化給付金」は、新型コロナウイルスによって売上が減少した事業者を対象とした現金の給付です。
給付額の上限は、法人は200万円、個人事業者は100万円です。
用途は自由で返却の必要はありません。
しかし、給付の速度を優先しているために、受給後に不正が見つかる例が多いのです。
持続化給付金の不正受給の調査は中小企業庁が中心になって行なわれています。
中小企業庁では、不正受給者用のコールセンターを設置し、速やかに返還するように求めています。
不正受給の手口
持続化給付金の不正受給は、どんな手口で行なわれるのでしょうか。
持続化給付金は、つぎの3つの条件に合った人のための給付金です。
- 事業を実施している
- 売上が昨年よりも減っている
- 売上が落ちた理由が新型コロナウイルスである
しかし、不正受給をする人は、次のように偽(いつわ)ります。
- 事業を実施してないのに申請する
サラリーマンや学生が、個人事業者と偽って申請してしまう - 各月の売上を偽って申請する
申請の際に必要な売上の帳簿や書類を、条件に合ったものに書き換えてしまう - 売上減少の理由が新型コロナウイルスではないのに申請する
他に明確な理由があるのに新型コロナのせいにしてしまう
特に学生やサラリーマンが、架空の書類を用意して、副業として個人事業を行なっていると偽った例が多く報道されています。
不正受給がバレたときの罰則
不正受給がバレた場合、どのような罰があるのでしょうか。
中小企業庁では、次の2つを挙げています。
- 給付金の全額に、不正受給の日の翌日から返還の日まで、年3%の割合で算定した延滞金を加え、これらの合計額にその2割に相当する加算金を加えた額の返還請求。
- 申請者の屋号・雅号・氏名などを公表。不正の内容が悪質な場合には刑事告発。
まず、不正受給した金額をそのまま返せば良いわけではなく、それに延滞金と加算金が上乗せされます。
例えば、個人事業であると偽って、100万円を不正受給した場合、延滞金は置くとしても、最低でも20万円の加算金が加わります。
これについては、梶山弘志 経済産業大臣が、10月6日付けの記者会見で次のように述べています。
不正受給が確認された人からは、2割の加算金付きで返還してもらいますが、中小企業庁が調査を開始する前に自主的に返還を申し出た方は、実際に返還いただければ加算金を課さない考え方であります。
つまり、自分から申請した場合は、延滞金や加算金は免除されるということです。
ただし、中小企業庁による不正受給の調査や、警察の捜査が始まっている場合には、返還が受け付けられない場合があります。
不正受給を行なっていて、自主的に返還したいのであれば、急ぐべきでしょう。
また、組織的な勧誘などの悪質な事例では、刑事事件として告発が行なわれています。
先ほどの梶山大臣の記者会見でも「給付金を詐取(さしゅ)したとして逮捕された者は30名を超えました」との発言がありました。その後も逮捕の報道が続いています。
条件に合う事業者は、すぐに申請を
持続化給付金は、新型コロナウイルス感染症によって影響を受けた事業者が、事業を継続するために給付されるものです。
申請期限は2021年1月15日ですが、すでに、約360万件の申請が行なわれています。
先ほど述べた、給付の条件に該当する事業者は、不正受給など気にせずに、早めに申請してください。
申請はオンラインで行なえますが、助けが必要な場合は地元の商工会議所などが設置している「申請サポート会場」を利用してください。