東京都、「医療提供体制」の警戒レベルがもっとも危険な段階に
[2020/12/18 00:00]
「医療提供体制」を一番高い段階に引き上げ
東京都の「新型コロナウイルス感染症モニタリング会議」は、医療提供体制についての警戒レベルを、4段階の一番上にあたる「体制が逼迫していると思われる」に引き上げました。
これまでは、4段階の上から2番目にあたる「体制強化が必要であると思われる」としていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、医療体制の維持が難しくなったとしています。
会議では、総括コメントとして、次のように分析しています。
入院患者の引き続く増加傾向に伴い、新型コロナウイルス感染症患者のための医療と、通常医療との両立が困難な状況となった。
新規陽性者数の増加を抑制するための対策を強化し、重症患者数の増加を防ぐことが最も重要である。
「感染状況」は、すでに一番上
なお、「感染状況」については、すでに4段階の一番上にあたる「感染が拡大していると思われる」になっています。
こちらの総括コメントは、つぎのようになっています。
65歳以上の新規陽性者数が増加しており、高齢者への感染の機会を、あらゆる場面で減らすことが必要である。
日常生活のなかで感染するリスクが高まっており、医療提供体制の深刻な機能不全を避けるための最大限の感染拡大防止策が必要である。
今後も陽性者が増える怖れ
会議参加者の個別のコメントでは、新規陽性者数の増加を懸念するものが増えています。
その一部を紹介します。
- 新規陽性者数は週当たり3,300人を超え、これまで経験したことのない非常に高い値で推移している。複数の地域や感染経路でクラスターが頻発しており、感染拡大が続いている。通常の医療が圧迫される深刻な状況となっており、新規陽性者数の増加を防ぐことが最も重要である。
- 現在の増加比約121%が1週間継続するだけで、新規陽性者が約1.2倍、2週間継続すると約1.4倍、4週間継続すると約2.1倍が発生することになる。増加比が更に上昇すると、新規陽性者数が爆発的に増加する。最大限の感染拡大防止策を早急に講じる必要がある。
- 今週の保健所別届出数を見ると、足立区が240人と最も多く、次いで新宿区が224人、世田谷が194人、みなと(港区)が186人、多摩府中(武蔵野市など)が177人、の順である。
17日の新規感染者数は過去最多
なお、この発表があった12月17日の東京都の新規感染者数は、過去最多の「822人」でした。
コメントにもあるように、今後も、新型コロナウイルスの新規陽性者が増え続ける可能性が高く、感染の拡大が心配されています。
マスクの着用や、「密閉」「密集」「密接」の「3密」を避ける、不要不急の外出をしないなど、基本的な感染防止策を守ってください。