新型コロナウイルスの「ワクチン」は、いつ接種できるのか
「ワクチン」は、コロナ対策の希望の星
現在、新型コロナウイルスの対策として、もっとも期待されているのは「ワクチン」です。
すでに、欧米ではワクチンの接種が始まっていますが、日本では来年にならないと接種が始まりません。
どうすれば、ワクチンの接種が受けられるのか、政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の資料をもとにして紹介します。
ワクチンは無償で提供される
まず、新型コロナウイルスのワクチンの接種について、決まっていることを箇条書きにしましょう。
- 2021年前半に全国民に提供できる数量の確保を目指す
- 接種は市区町村が中心になり、医師によって行なわれる
- ワクチンは無償で提供される
- 最初はワクチンの数量が足りないので、新型コロナウイルスに感染する可能性が高い人が優先される
- ワクチンの副反応(副作用)などによって健康被害が起きたときは、国が保障する
今回のワクチン接種は、国の施策として行なわれます。
そのため、費用はかかりません。
また、何らかの健康被害が出た場合には、国が賠償します。
ただし、ワクチンは、国民全員分を一度に用意できません。
国の方針によって、感染する可能性が高かったり、感染すると重症になりやすい人を優先して、ワクチンの接種が行なわれます。
「医療従事者」と「高齢者」が優先される
新型コロナウイルス用ワクチンの接種は、どのような人が優先されるのでしょうか。
現時点では、次の順位となっています。
- 医療従事者
- 高齢者
- 基礎疾患を有する非高齢者
- 高齢者施設の従事者
「医療従事者」は、新型コロナの感染者に頻繁に接する医師や職員が優先されます。
また、感染者と接触の機会が多い、薬剤師、救急隊員、海上保安庁職員、自衛隊職員などが挙がっています。
「高齢者」は、ここでは65歳以上が想定されています。
「基礎疾患を有する非高齢者」は、65歳未満で、新型コロナに感染すると重症化しやすい病気を持っている人です。
具体的には、慢性の呼吸器疾患、心臓病、糖尿病、腎臓病などが想定されています。
「高齢者施設の従事者」には、高齢者が入所して居住する施設が幅広く挙げられています。
なお、妊娠している女性を優先順位に入れるかどうかは、厚労省において検討中とされています。
医療従事者への接種は3月から
ワクチン接種についての日程は、どうなっているのでしょうか。
まだ、不確定な要素はありますが、現在のスケジュールを見てみましょう。
現在、3種類のワクチンと契約が行なわれており、早いものは2021年2月に薬事承認が終わる見込みです。
そして、2月中にも、一部の医療従事者に先行して接種を行ない、体調の変化などを調査します。
多くの「医療従事者」に接種が始まるのは3月になります。
次の「高齢者」に接種が始まるのは3月の末から4月の上旬、「基礎疾患を有する非高齢者」への接種は4月以降となります。
つまり、基礎疾患のない現役世代が新型コロナウイルスのワクチンを接種できるのは、早くても来年前半ギリギリになるでしょう。
優先順位に関わる詐欺に注意
新型コロナウイルスのワクチンの接種は、市区町村から「接種券」が届きます。
これを医師のもとに持参するとワクチンの接種が受けられます。
つまり、市区町村から「接種券」が届く前に、ワクチンの接種を受ける方法はありません。
しかし、一刻も早くワクチンを接種して、安心したいという人もいるでしょう。
すでに海外のネットでは、ワクチンの接種を早く受けるための偽の身分証などが、流通し始めています。
遠からず、「本物と称する接種券を売る詐欺」や「本物と称するワクチンを高額で接種する詐欺」が登場するでしょう。
ワクチンは、新型コロナウイルスに対する最大の希望ではありますが、それを受けるためには順番を待つ以外の方法はありません。
あわてて、怪しい情報にとらわれることがないように、落ち着いて待ちましょう。
2021年の2月には手続きの細部が確定して、もう少しはっきりとした見通しが得られることでしょう。