個人事業者が申告で悩むのは「消耗品費」と「交際費」
自宅で作業している個人事業者へのアンケート
バーチャルオフィスを運営するゼニスが、「確定申告についての調査」の結果を公開しています。
2021年1月に行なわれたインターネット調査には、副業を含めて、自宅で働いている個人事業者1,154人が回答しています。
なお、サラリーマンの場合は、副業による所得が20万円を超えると、確定申告の必要があります。忘れずに申告してください。
確定申告は面倒だと思っている人が多い
「確定申告をする際、不安を感じたり面倒だと思ったりすることはありますか」と聞いています。
7割以上が「はい」と答えており、確定申告を面倒に感じている人が多いことが分かります。
間違いなく作成できるのか不安
確定申告について、「どのようなことが不安ですか」と聞いています。
一番多い答えは、「申請書をきちんと作成できるか」でした。
以前に比べると、クラウド会計ソフトなどを使う人が増え、正しい申請書を作ることは簡単になりました。しかし、まだ不安に感じている人が多いのです。
次に多いのが、「仕訳が間違っていないか、期ずれはないか」です。
経費の「勘定科目」のミスや、年末年始をはさむ取引で発生しやすい「期ずれ」などの、間違いがあってはいけないという不安が強いのです。
三番目に多いのが、「時間が取れるか、期限に間に合うか」です。
個人事業者の伝票は、年間に数百から数千程度ですので、月に1度、伝票処理をしておけば、締め切りに追われずに済むはずです。
しかし、普段は放置していて、1年分をまとめて作業しようとすると、時間に追われてしまうのでしょう。
毎年、確定申告の締め切り間際になると、税務署の窓口が混雑することを思えば、そういう人が少なくないことが分かります。
悩む科目は「消耗品費」と「交際費」
では、仕訳の間違いに悩む人は、どの勘定科目で悩んでいるのでしょうか。
「経費計上で悩むのは、どの勘定科目ですか」と聞いています。
悩んでいる人が多いのは、「消耗品費」と「交際費」でした。
どちらも、業務と私用の区別が曖昧になりがちな科目だけに、どこで線を引くべきか悩む人が多いのでしょう。
「業務に関係したものは全て経費にする」
最後に、「確定申告で節税するなら何が重要ですか」と聞いています。
一番多い答えは、「業務に関係したものは全て経費にする」でした。
業務で使用したものは明確に履歴を残して、全て経費として計上することが節税の第一歩なのです。
次に多いのが「自宅の光熱費や家賃などは按分(あんぶん)して経費にする」でした。
自宅で働いている個人事業者は、光熱費や家賃などの何割かを経費として計上できます。これを「按分」と言います。
按分を行なうことで、毎月の経費を増やすことができます。
節税の第一歩は「記録を残すこと」
所得税は、その年の「収入」から、「経費」や「控除」を引いた「所得」に、税率を掛けて計算されます。
そのため、節税の基本は、「収入から差し引かれる経費や控除を増やして、所得の金額を抑える」ことになります。
所得が小さくなれば、所得税の金額も下がりますし、適用される税率も低くなります。
そのために必要なのは、使用した経費の記録を正しく残して、漏れなく集めることです。
クラウド会計ソフトでは、銀行の預金口座や、クレジットカードの支払情報と連携して、自動的に支出を登録してくれる機能があります。
そのような機能も利用しながら、正確な申告と、正しい範囲での節税を心がけてください。