コロナが原因で「シフト」が減ったアルバイトがもらえる「休業支援金」

[2021/3/9 00:00]

コロナで減ったアルバイトの「シフト」

シンクタンクの野村総合研究所が、「新型コロナウイルスによるアルバイトやパートのシフト減少」についての調査レポートを公開しています。

このレポートは、2021年2月に行なわれた複数のインターネット調査の結果を元にしています。

この記事では、このレポートの内容と、それに関連した「休業支援金」という制度について紹介します。

なお、ここで言う「シフト」とは、職場との間で働く曜日や時間帯を指定する用語です。

例えば、「今週は火曜日に昼の11時から2時間のシフトが入っている」とか「木曜日は午後の4時からのシフトだけど、続けて次のシフトにも入る」と使います。

「シフトが減る」ということは、働く時間が短くなるということであり、時給制のアルバイトにとって収入が減ることを意味しています。

シフトが減っている人は「3割」

「コロナ以前と比べてシフトが減少している」と答えている女性は29%、男性は33%でした。

つまり、アルバイトやパートで働いている人の3割が、新型コロナの影響で仕事が少なくなっています。

そして、「シフトが5割以上減少している」女性は13%、男性は16%でした。

シフトが5割以上減少したということは、収入が半分以下に減ったということであり、生活に大きな影響があります。

新型コロナウイルスによって、失業には至らなくても、大幅な減収となっている人が1割以上もいるのです。

出典:野村総研
出典:野村総研

男女とも半分は「休業支援金」を知らない

新型コロナなどで仕事が減り、従業員を会社の責任で休ませた場合は、会社から「休業手当」が支給されます。

あまり知られていませんが、「休業手当」は、1日単位の休業だけではなく、シフトが減る短時間休業でも受け取ることができます。

しかし、実際にはシフトが減ったアルバイトに対して、休業手当を支給する会社は多くありません。

そこで、新型コロナウイルス対策の一つとして、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」という制度が用意されました。

ここからは「休業支援金」と呼びます。

これは、勤め先から休業手当を受け取れない場合に、労働者本人から申請して、「休業支援金」を受け取ることができる制度です。

この制度は、アルバイト本人が会社と面倒な交渉をすることなく、減った仕事の賃金の一部がもらえるというありがたいものです。

しかし、今回の調査では、この制度を「知らなかった」という人が多く、女性の48%、男性の49%を占めました。

男女とも、ほぼ半分が、自分が届け出をするだけで受け取れるお金があることを知らないのです。

出典:野村総研

もらえるなら「今すぐにでも支給を受けたい」

では、シフトが減っている人は、「休業支援金」が受け取れると分かったら、それを受け取るのでしょうか。

シフトが5割以上減った人で、「今すぐにでも支給を受けたい」と回答した人は、女性で40%、男性で47%に上りました。

つまり、お金を必要としているのに、制度を知らなかったために受け取っていない人がたくさんいることになります。

出典:野村総研
出典:野村総研

「休業支援金」はオンラインでも申請できる

最後に「休業支援金」について、基本的なことをまとめておきましょう。

「休業支援金」から支給される金額は、休んだ日数の賃金の80%が基本で、上限は1日11,000円です。

なお、以前は「休業支援金」の対象は、雇い主が中小企業の場合に限られていましたが、現在は大企業も対象となっています。

申し込みは、オンラインまたは郵送でできます。

支給条件や必要な書類については、こちらのページを参照してください。

申請内容を確認するために、雇い主の協力が得られない場合は、都道府県労働局から事業主に対して調査が行なわれます。協力が得られずに、そのままになることはないので安心してください。

[シニアガイド編集部]