「直葬」が減少、「法要」が復活。新型コロナ「第三波」の葬儀の特徴
「第三波」に行なわれた葬儀の特徴
葬儀紹介サイト「小さなお葬式」を運営するユニクエストが、2021年3月までの受注データを公開しています。
公開されたのは、2019年11月から2021年3月の範囲で、新型コロナウイルスに対する、二度目の「緊急事態宣言」の時期を含みます。
また、新型コロナウイルスの「第三波」が流行していた時期でもあります。
「小さなお葬式」では、毎日100件以上の葬儀を扱っており、新型コロナウイルスによる、葬儀への影響と、その変化がよく分かるデータとなっています。
この記事では、特に「第三波」に見られた3つの特徴を紹介します。
「一般葬」への回帰が見られる
新型コロナウイルスでは、火葬のみ行なう「直葬」が増えました。
特に、2020年4月の「第一波」では「直葬」が増え、通夜や告別式を行なう「一般葬」を上回りました。
「直葬」が増えたのは、新型コロナウイルスの感染を防ぐために、人が集まる機会を減らすことが目的です。
しかし、2020年8月の「第二波」や、2020年12月からの「第三波」では、「直葬」は増えたものの、「一般葬」を上回ることはありませんでした。
2020年3月には、「一般葬」が54%を占めており、新型コロナ以前の状態に戻りつつあります。
法要の自粛は一段落
一周忌や三回忌などの「法要」も、新型コロナウイルスで影響を受けました。
しかし、2021年3月は、大きく回復しており、一周忌、三回忌とも、前年度の実績を上回っています。
新型コロナウイルスの感染拡大から、1年が経過したこともあって、人が集まる行事を再開する人が増えていることが分かります。
新型コロナが死因の葬儀の相談は減っている
故人が新型コロナウイルスによって死亡した、または感染している可能性がある場合の葬儀は、感染予防のために、さまざまな制約が存在します。
そのため、場合によっては故人との最後のお別れができなかったり、葬儀ができない場合もありました。
また、葬祭業者側にも準備が必要で、事前の相談が欠かせません。
故人の死因が新型コロナウイルスである場合の相談件数を見ると、2021年1月をピークにして、減り始めています。
厚労省が公開している新型コロナウイルスによる死亡者のグラフをみても、1月末から2月初旬がピークでした。
第三波については、死亡者数の増減と葬儀の相談数が、ほぼ連動していることが分かります。
第三波は「自粛疲れ」!?
新型コロナウイルスによって、葬儀や法要は大きな影響を受けました。
しかし、今回のデータを見ると、昨年の「第一波」に比べると、「第三波」は、少し落ち着いた動きになっています。
直葬の割合は減少し、法要を再開する人が増え、新型コロナウイルスによる死亡の問い合わせも減りました。
これらの動きは、皆が新型コロナウイルスによる自粛に慣れたこともあります。
また、緊急事態宣言が長期化したことで「自粛疲れ」を招いたこともあるでしょう。
二度目の緊急事態宣言が解除されたことで、今後はさらに平常時に近い形に戻っていくことが予想されます。