葬儀業用の「新型コロナウイルス」対策ガイドラインを公開
[2020/6/10 00:00]
葬祭業のためのコロナ対策ガイド
葬祭業者の2つの団体が共同で、葬儀にあたって注意すべき「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」を公開しています。
このガイドラインは、全日本葬祭業協同組合連合会と全日本冠婚葬祭互助協会によるものです。
ガイドラインの内容は、政府が提案する「新しい生活様式」に沿ったもので、葬祭業者が葬儀を執り行うための、それぞれの段階での注意事項がまとめられています。
この記事では、葬儀を依頼する家族側から見て重要なポイントを紹介します。
「参列者の限定」や「お焼香時の消毒」なども
ガイドラインの基本的な方針は、次の3つです。
- 「密閉空間」「密集場所」「密接場面」の「3密」を避ける
- 参列者も含めて、マスクを着用する
- 消毒を徹底する
これを、事前の打ち合わせ、通夜、葬儀、火葬のそれぞれの段階で徹底します。
3つの指示の具体的に例を見てみましょう。
「3密」を避ける
- 葬儀の参列者については、ある程度限定することを検討する
- 多くの参列者が想定される際は、弔問の時間を長く設定して、お焼香またはお線香のみでお引取りいただくことも考える
- 遺族が火葬場へ同行する場合は、マイクロバスに間隔をあけて着席し、可能な限り換気に努める。それぞれが自家用車で行くことも検討する
- 会食を行なわず、お弁当の持ち帰りにすることを検討する
マスクの着用
- スタッフはマスク着用。必要に応じてフェイスシールドも検討する
- 参列者もマスクを着用する。会場にマスクを用意して漏れのないようにする
なお、このガイドラインでは、僧侶などの宗教者のマスク着用については触れていません。状況に応じて、事前の打ち合わせが必要でしょう。
消毒の徹底
- 葬儀会場に入場するときも手指の消毒を行なう
- 人が触れやすいところの消毒を徹底する
- 焼香する台のそばにも消毒薬を置き、焼香の前後に消毒できるようにする
- 食事の際も手指の消毒を行なう
最後の別れの機会であることを忘れないように
現在は、「緊急事態宣言」が終わったとはいえ、常に新型コロナウイルスを意識しなければならない状態です。
このような状態で行なわれる葬儀は、参列者を制限することから考えなければなりません。
また、葬儀の会場でも、マスクの着用、手指の消毒、人と人との距離の確保など、これまでになかった行動が求められます。
ただし、葬儀が亡くなった人と残された人の最後に会う機会であり、亡くなった悲しみを共有する行事であることも忘れてはいけません。
どのような形式を選択するにしても、新型コロナウイルス対策を急ぐあまり、誰のための葬儀であるか、そのためには何が欠かせないのかという視点を忘れないようにしてください。