経団連の感染予防ガイドラインが、トイレのハンドドライヤーの使用を解禁
[2021/4/15 00:00]
ガイドラインを改訂
2021年4月13日に、経団連が「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を改訂しました。
このガイドラインは、新型コロナウイルスの感染を予防するための手段を記載したものです。
ガイドラインは、オフィス用と製造事業所(工場)用が用意されており、多くの企業で社内の新型コロナウイルス対策の基準として使われています。
今回の改訂の目玉は、従来禁止されてきた「トイレのハンドドライヤー」が解禁されたことです。
「ハンドドライヤー」が解禁
従来のガイドラインでは、ハンドドライヤーについて、次のように記述されていました。
- ハンドドライヤーは利用を止め、共通のタオルは禁止し、ペーパータオルを設置するか、従業員に個人用タオルを持参してもらう。
しかし、4月13日付けで公開された再訂版では、次のように記述されています。
- 共通のタオルは禁止し、ペーパータオルを設置するか、従業員に個人用タオルを持参してもらう。ハンドドライヤー設備は、メンテナンスや清掃等の契約等を確認し、アルコール消毒その他適切な清掃方法により定期的に清掃されていることを確認する。
つまり、「ハンドドライヤーの利用停止」が削除され、その代わりに「ハンドドライヤー設備のメンテナンスと定期的な清掃」が追記されました。
メンテナンスや清掃は欠かせない
今回、ハンドドライヤーが解禁された理由について、経団連では次のように記載しています。
オフィスや製造事業場といった、基本的に有症者がいない管理された場所のトイレでのハンドドライヤーの利用での感染リスクは限定されること、また、ハンドドライヤーの利用で発生する水滴、マイクロ飛沫による感染リスクが極めて小さいことが、複数の実験と数値流体シミュレーションを組合せて確認できたことから、ハンドドライヤーの利用停止を削除する。
また、清掃について、次のように記載しています。
トイレにおける接触感染の防止を徹底するため、便器の複数回の清掃や、ハンドドライヤー設備のメンテナンスや清掃等の契約等の確認、定期的な清掃を明記する。
つまり、ハンドドライヤーは認められましたが、それはきちんと手入れされていて清潔でなければならないというわけです。
従業員向けにポスターの掲示を促す
今回のガイドラインの改訂では、もう1つ追加があります。
- トイレや休憩・休息スペース等、“場の切り替わり”での対策の徹底のため「職場におけるコロナ感染症対策のお知らせ」の周知を記載する。
「場の切り替わり」というのは、自分の席や会議室ではきちんと感染対策をしていても、休憩室などでは気の緩みから感染しやすい行動をとってしまうことを言います。
そして、「職場におけるコロナ感染症対策のお知らせ」というのは、内閣官房が公開している、新型コロナウイルス感染症対策をまとめたポスターです。
これを従業員の目に付きやすい場所に掲示することが盛り込まれました。
経団連のガイドラインに記載されたことで、オフィスや工場での掲示が増えるかもしれません。