室内で死亡した熱中症患者の9割は、エアコンを使っていなかった

[2021/5/2 00:00]

東京23区の熱中症の状況

東京都監察医務院が、2020年の夏に熱中症で死亡した人のレポートを公開しています。

これによれば、屋内で熱中症で死亡した人の9割が、エアコンを使っていなかったことが分かりました。

この記事では、東京23区(区部)のデータに絞って、熱中症による死者の特徴を紹介します。

熱中症の死者は増えつつある

レポートによれば、2020年の6月から9月の夏期に、23区内で死亡した熱中症患者は「200人」でした。

熱中症による死者は、その年の天候による差が大きく、ここ数年は増加傾向にあります。

出典:東京都監察医務院のデータをもとに編集部が作成

平均最高気温が30℃を超えると危険

熱中症による死者は、最高気温の平均が30℃を超えるような暑い月に発生します。

2020年は、平均最高気温が27℃台だった、6月と7月には熱中症の死者が出ませんでした。

しかし、平均最高気温が34.1℃だった8月には、196人が死亡しています。

そして、平均最高気温が28.1℃に下がった9月は、4人に減りました。

出典:東京都監察医務院のデータをもとに編集部が作成

70歳以上の高齢者が危ない

熱中症で死亡する人は、50代ぐらいから増え始め、男性は「70代」、女性は「80代」が一番多くなっています。

高齢者ほど、熱中症に対する注意が必要であることが分かります。

出典:東京都監察医務院のデータをもとに編集部が作成

死者の9割がエアコンを使っていない

23区内で熱中症で死亡した200人のうち、「187人」が屋内で死亡しています。

死者の9割以上が屋内で発生しているのです。

そして、屋内で死亡した人の「90%」は、エアコンを使っていませんでした。

そもそもエアコンが無い人もいますが、それよりも、エアコンが有るのに使っていなかった人の方が多いのです。

現在の東京では、暑い日にエアコンを使わないと、熱中症による死を招きかねません。

5月のうちにエアコンの動作を確認し、必要があれば修理や買い替えをして夏に備えてください。

出典:東京都監察医務院のデータをもとに編集部が作成
[シニアガイド編集部]