個人事業主でも、最大6千万円まで無利子/無担保で借りられる「ゼロゼロ融資」
個人事業主でも無利子/無担保
新型コロナウイルスによって業績が悪化した企業を対象に、政府系金融機関が無利子/無担保で行なっている融資を、通称で「ゼロゼロ融資」と言います。
「ゼロゼロ融資」は、2021年6月末で申し込みが終わる予定でしたが、新型コロナウイルスの流行の長期化に伴って、2021年年末まで延長されました。
実は、この「ゼロゼロ融資」は、企業だけではなく「小規模の個人事業主」も対象となっています。
いくつの条件を満たせば、実質的に無利子で最大6千万円の運転資金が借りられます。
新型コロナウイルスで売上が低下している個人事業主は、利用を検討すべきでしょう。
借りてから3年間は「実質的に無利子」
個人事業主向けの「ゼロゼロ融資」は、日本政策金融公庫の「国民生活事業」に用意された「新型コロナウイルス感染症特別貸付」という制度です。
対象は「新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的な業況悪化を来している方」とされ、売上金額に一定の条件があります。
借りたお金の用途は「設備資金および運転資金」です。
融資金額の上限は8千万円ですが、無利子となる範囲は6千万円です。
金利については、完全に無利子ではなく、一定の制限があります。
まず、返済は利子を含む形で行ないます。
そして、当初の3年間については、利子相当額を中小企業基盤整備機構が補給してくれるので、実質的に無利子となります。
「ゼロゼロ融資」を説明するときに、「無利子」ではなく「実質的に無利子」という持って回った言い方になるのは、あとで利子分だけ戻ってくるという複雑な制度だからです。
なお、利子は、日本政策金融公庫の「基準金利」となります。
現時点での「基準金利」は「1.26%~1.65%」です。
民間に比べて、かなり低いと言えるでしょう。
貸付期間は、設備投資は20年以内、運転資金は15年以内です。
最長で5年間の据置期間を設定して、返済を待ってもらうこともできます。
まずは条件の確認から
国民生活事業の融資の申込みは、ネット上で行なえます。
ただし、これはあくまでも申込の受付であって、その後に面談や契約手続きが必要です。
また、オンラインによる事前相談もできるので、必要に応じて利用してください。
まずは、こちらのページで、借入条件や提出書類などを確認しましょう。
一般に、個人事業主は、金融機関などから借り入れをすることが簡単ではありません。
そのため、個人名義のカードローンなどで借りたお金を事業につぎ込んでしまう例も見聞きします。
しかし、それでは事業と個人の両方が共倒れになってしまいます。
公的機関からの「ゼロゼロ融資」を利用することで、個人ではなく「事業」に資金を注入して、立て直しを図りましょう。