個人事業主でも、最大6千万円まで無利子/無担保で借りられる「ゼロゼロ融資」

[2021/5/26 00:00]

個人事業主でも無利子/無担保

新型コロナウイルスによって業績が悪化した企業を対象に、政府系金融機関が無利子/無担保で行なっている融資を、通称で「ゼロゼロ融資」と言います。

「ゼロゼロ融資」は、2021年6月末で申し込みが終わる予定でしたが、新型コロナウイルスの流行の長期化に伴って、2021年年末まで延長されました。

実は、この「ゼロゼロ融資」は、企業だけではなく「小規模の個人事業主」も対象となっています。

いくつの条件を満たせば、実質的に無利子で最大6千万円の運転資金が借りられます。

新型コロナウイルスで売上が低下している個人事業主は、利用を検討すべきでしょう。

出典:経産省

借りてから3年間は「実質的に無利子」

個人事業主向けの「ゼロゼロ融資」は、日本政策金融公庫の「国民生活事業」に用意された「新型コロナウイルス感染症特別貸付」という制度です。

対象は「新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的な業況悪化を来している方」とされ、売上金額に一定の条件があります。

借りたお金の用途は「設備資金および運転資金」です。

融資金額の上限は8千万円ですが、無利子となる範囲は6千万円です。

金利については、完全に無利子ではなく、一定の制限があります。

まず、返済は利子を含む形で行ないます。

そして、当初の3年間については、利子相当額を中小企業基盤整備機構が補給してくれるので、実質的に無利子となります。

「ゼロゼロ融資」を説明するときに、「無利子」ではなく「実質的に無利子」という持って回った言い方になるのは、あとで利子分だけ戻ってくるという複雑な制度だからです。

なお、利子は、日本政策金融公庫の「基準金利」となります。

現時点での「基準金利」は「1.26%~1.65%」です。

民間に比べて、かなり低いと言えるでしょう。

貸付期間は、設備投資は20年以内、運転資金は15年以内です。

最長で5年間の据置期間を設定して、返済を待ってもらうこともできます。

まずは条件の確認から

国民生活事業の融資の申込みは、ネット上で行なえます。

ただし、これはあくまでも申込の受付であって、その後に面談や契約手続きが必要です。

また、オンラインによる事前相談もできるので、必要に応じて利用してください。

まずは、こちらのページで、借入条件や提出書類などを確認しましょう。

出典:日本政策金融公庫

一般に、個人事業主は、金融機関などから借り入れをすることが簡単ではありません。

そのため、個人名義のカードローンなどで借りたお金を事業につぎ込んでしまう例も見聞きします。

しかし、それでは事業と個人の両方が共倒れになってしまいます。

公的機関からの「ゼロゼロ融資」を利用することで、個人ではなく「事業」に資金を注入して、立て直しを図りましょう。

[シニアガイド編集部]