「運転免許証の返納」と「運転経歴証明書の交付」が大きく減少。新型コロナが影響!?

[2021/7/8 00:00]
「運転経歴証明書」 出典:警察庁

運転免許証の返納が8%も減少

警察庁が、2020年の「運転免許証の自主返納件数」を公開しています。

2020年の返納件数は「55万2,381件」で、前年よりも8%減少しました。

運転免許証の返納は、ずっと増加傾向にありましたが、2020年は大きく落ち込みました。

年齢別に見ると、「75歳未満」の返納件数は微増ですが、「75歳以上」の返納件数が5万件以上も減りました。

今後は、「75歳以上」の返納を増やすことが課題となっています。

自主返納が少なくなった理由は公開されていませんが、新型コロナウイルスの流行により高齢者の不要不急の外出の自粛や、「三密」を避けられる移動手段としての自動車の見直しなどが、影響している可能性が高いでしょう。

出典:警察庁のデータをもとに編集部が作成

自主返納が多い県/少ない県

運転免許証の自主返納件数は、県によって大きな差があります。

返納件数が多い県は、次の通りです。

  • 東京 62,626
  • 神奈川 43,768
  • 大阪 39,270
  • 埼玉 36,861
  • 愛知 31,929
  • 千葉 27,467
  • 兵庫 24,347
  • 北海道 20,600
  • 静岡 19,587
  • 福岡 18,928

返納件数が多いのは、人口が多く、自動車以外の公共交通機関が発達した、都会が多いことが分かります。

逆に少ない県は、次の通りです。

  • 鳥取 2,296
  • 福井 2,867
  • 高知 2,910
  • 山梨 2,911
  • 島根 2,988
  • 徳島 3,183
  • 佐賀 3,528
  • 和歌山 3,736
  • 秋田 4,192
  • 石川 4,392

返納件数が少ないのは、人口が少なく、公共交通機関が乏しくて、自動車に頼る機会が多い県が中心です。

「運転経歴証明書」の交付も減少

運転免許証を返納すると、公的な本人確認書類がなくなって不便を感じる人が少なくありません。

そのため、運転免許証に代わる「運転経歴証明書」という書類を交付してもらうことができます。

2020年の「運転経歴証明書」の交付件数は「49万6,556件」でした。

こちらも、前年より4%ほど少なくなっています。

「75歳未満」が微増で、「75歳以上」が減少しているのは、運転免許証の返納と同じ傾向です。

なお、「運転免許証の返納」に対する「運転経歴証明書の交付」の割合は「89.9%」でした。

つまり、返納をする人の9割は「運転経歴証明書」を受け取っています。

運転免許証を返納する際に、「運転経歴証明書」の存在が大きく影響していることが分かります。

出典:警察庁のデータをもとに編集部が作成

返納から5年以内であれば「運転経歴証明書」がもらえる

「運転経歴証明書」は、自主返納したときだけではなく、ある程度、時間が経ってからでも交付してもらえます。

具体的には、自主返納や、運転免許証の更新を受けずに失効してから、「5年以内」であれば交付してもらえます。

免許証を手放してから、身分証明書がなくて不便を感じている人は、まだ交付が可能かどうか確認してください。

[シニアガイド編集部]