フリーランスの年収は、本業でも「100万円未満」が最多

[2021/8/13 00:00]

「フリーランス」の実態調査

フリーランス情報メディア「フリーランスガイド」が、「フリーランスの働き方に関する実態調査」の結果を公開しています。

2021年8月に行なわれたインターネット調査には、フリーランスの男女400人が回答しています。

ここでいう「フリーランス」は「組織から独立した形で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」を指しています。

この記事では、フリーランスの収入を中心に紹介します。

フリーランスが本業の「独立系」、副業の「副業系」

この調査では、フリーランスを2つに分けています。

1つは、個人事業主、専業などの「独立系」です。

フリーランスが本業で、その収入によって生計を立てています。

もう1つは、「副業系」で、会社員などの本業が別にある人が、副業として行なうものです。

今回の調査では、「独立系」が3割強、「副業系」が7割弱でした。

出典:フリーランスガイド

本業でも「100万円以下」の人が4割

フリーランスが本業である「独立系」の年収を見てみましょう。

一番多いのは「100万円以下」で4割以上を占めています。

次に多いのが「100~200万円」で2割でした。

年収が500万円を超えている人は、全体の1割もいません。

中には年収が「1千万円以上」という人もいますが、それはかなり例外的な存在です。

出典:フリーランスガイドのデータをもとに編集部が作成

副業では、8割以上が「100万円以下」

副業としてフリーランスをしている「副業系」の収入はどうでしょう。

やはり、一番多いのは「100万円以下」ですが、こちらは全体の8割以上を占めています。

副業としてフリーランスをする場合、100万円以上の収入を得られる人は1割ぐらいしかいません。

出典:フリーランスガイドのデータをもとに編集部が作成

「収入」と「安定性」が不安の種

フリーランス本人は、自分の収入や生活について、どのように考えているのでしょうか。

自由記入されたコメントから拾ってみましょう。

  • 何よりも「安定性」に乏しい。出来高制のため収入にムラがあるし、いつでも積極的に新規の案件を獲得していかなければならないというプレッシャーもある。(40代男性、Webライター)
  • 新規案件の難しさと、作業量、スケジュールが厳しくなった時に対処する方法が極めて少ないこと。(40代男性、ソフトウェアエンジニア)
  • いつ自分が必要とされなくなるのかは不安。いつまで今の働き方が出来るか。(30代女性、歯科衛生士)

このように「収入が安定しない」「将来が不安」という声が多く見られました。

フリーランスに満足している人は「自由」がキーワード

もちろん、フリーランスという立場に満足している人もいます。

コメントを見てみましょう。

  • 自分で取り決められる自由度は高く、自分に合った調整ができるのは満足しています。あれこれやる事が自分には一番合った働き方だと実感できています。(40代男性、Webライター)
  • 4年前から日本を離れ、各国を転々とし、現在はバリ島でのスローライフが実現しました。まだまだ理想の収入額には到達していませんが、手に入れた自由・ライフスタイル、ストレスフリーな生活はお金には代えられずとても満足な暮らしをしています。(30代女性、ヨガインストラクター)

こうしてみると、フリーランスには自分の時間で仕事を進められるという「自由」が魅力であることが分かります。

しかし、フリーランスには、収入源の開拓などの努力が必要で、それに失敗すれば収入が減るという「収入に対する不安」があることを忘れてはいけません。

「フリーランス」という働き方を選ぶときには、「自由」と「収入に対する不安」のどちらを重視するのか、よく考えておく必要がありそうです。

[シニアガイド編集部]