東京などの「緊急事態宣言」を9月12日まで延長。延長と聞いても「またか」と感じてしまう理由

[2021/8/19 00:00]
赤が「緊急事態宣言」、黄が「まん延防止等重点措置」

期間を延長。対象地域も拡大

政府は東京都などに発令中の新型コロナウイルス対策「緊急事態宣言」を、9月12日まで延長すると発表しました。

さらに「まん延防止等重点措置」が行なわれている県から、茨城県など7府県が「緊急事態宣言」に移行します。

また、宮城県など10県に、新たに「まん延防止等重点措置」が行なわれます。

これで、「緊急事態宣言」は13都府県、「まん延防止等重点措置」は16道県に及びます。

今回の追加と変更

  • 「緊急事態宣言」を9月12日まで延長
    東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、沖縄
  • 「まん延防止等重点措置」から「緊急事態宣言」に移行。期間を9月12日まで延長
    茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡
  • 「まん延防止等重点措置」を9月12日まで延長
    北海道、福島、石川、愛知、滋賀、熊本
  • 8月20日から「まん延防止等重点措置」を開始。期間は9月12日まで
    宮城、山梨、富山、岐阜、三重、岡山、広島、香川、愛媛、鹿児島

延長を繰り返す東京都の「緊急事態宣言」

今回の「緊急事態宣言」の延長について、「またか」という感想を抱く人も少なくないでしょう。

都民の実感として、東京都の「緊急事態宣言」は、特別なことではなく、いつもの「日常」になりつつあります。

いったい、何が原因なのでしょうか。

それを知るために、東京都の「緊急事態宣言」を整理してみました。

なお、「延長」は、その日が終了予定でしたが、延長されてしまった日付です。

1回目

  • 開始:2020年4月7日
  • 延長:2020年5月6日
  • 終了:2020年5月25日

2回目

  • 開始:2021年1月8日
  • 延長:2021年2月7日
  • 延長:2021年3月7日
  • 終了:2021年3月21日

3回目

  • 開始:2021年4月25日
  • 延長:2021年5月11日
  • 延長:2021年5月31日
  • 終了:2021年6月20日

4回目

  • 開始:2021年7月12日
  • 延長:2021年8月22日
  • 延長:2021年8月31日
  • 終了予定:2021年9月12日

こうしてみると、今年に入ってから、東京都に緊急事態宣言が出ていなかったのは、とても短い期間だったことが分かります。

  • 2021年1月1日~1月7日(ほぼ1週間)
  • 2021年3月22日~4月24日(ほぼ1カ月)
  • 2021年6月21日~7月11日(ほぼ3週間)

つまり、ここまでの8カ月あまりのうち、「緊急事態宣言」が出ていなかったのは約2カ月だけなのです。

このように、ようやく「緊急事態宣言」が終わっても、1カ月も経たずに、次の「緊急事態宣言」が出ている状態では、都民が「自粛疲れ」になっても不思議ではありません。

また、「緊急事態宣言」は、最初に設定された期限では終わらず、「期限の延長」を繰り返しています。

「緊急事態宣言」が長期化することによる慣れに加え、「どうせまた延長されるだろう」という諦めにつながっているのではないでしょうか。

本来なら延長がなく、メリハリのついた状態の方が好ましいことは言うまでもないでしょう。

最初に楽観的な終了日を設定し、そこで終わらずにずるずると延長されていく「緊急事態宣言」が、新型コロナウイルスの予防や行動の自粛に協力しようという気力を奪っているように見えます。

[シニアガイド編集部]