介護保険を使っている人の4割は「要介護1」と「要介護2」
介護保険は、どんな人が使っているのか
「介護保険」は、実際に利用するまではイメージがつかみにくい制度です。
例えば、誰がどんなふうに利用しているのかということが、あまり知られていません。
厚労省のデータをもとにして、介護保険を使っている人について紹介しましょう。
人口の5%が利用している
最初に人数から見ていきましょう。
2020年度に、介護保険を利用した人は「621万9千人」でした。
日本の人口が約1億2,500万人ですから、その5%が利用していることになります。
意外なほど多くの人が、介護保険を使っていることが分かります。
利用できるのは65歳から
介護保険が利用できるのは、基本的には「65歳以上」に限られています。
ただし、40歳以上65歳未満で、16種の特定疾病(しっぺい)が原因となっている場合も、介護保険を利用することができます。
各年代ごとに介護保険を利用している人の率を見てみましょう。
60代後半から70代後半までは10%未満です。
しかし、80代から多くなりはじめ、90代になるとほぼ半分の人が利用しています。
性別は、ほとんどの年代で女性の方が多くなっています。
要介護認定によって、使える金額が変わる
介護保険を利用するためには、「要介護認定」という検査を受ける必要があります。
要介護認定による判定は7段階あります。
「要支援1」から「要介護5」までの、どれになるかによって、「支給限度額」という、1カ月に利用できる金額が決まります。
例えば、「要支援1」では、支給限度額は5万320円ですが、「要介護5」では36万170円まで利用できます。
どの段階に認定されるかによって、利用できるサービスの量が変わってしまうのです。
「要介護1」と「要介護2」の人が多い
では、要介護認定を受けた人は、どの段階になることが多いのでしょうか。
介護保険の利用者のうち、多いのは「要介護1」と「要介護2」でした。
この2つで、全体の40%以上を占めています。
症状が一番重い「要介護5」は、10%ぐらいです。
介護保険というと、ベッドから身動きできない高齢者が使うものというイメージがありますが、実は、そういう人は1割ほどで、ある程度、生活に支障があるという段階の人が多いのです。
相談は地元の「地域包括支援センター」へ
この記事で紹介したのは、「介護保険」のほんの入口です。
それでも、「介護保険は、特別な高齢者だけではなく、60代後半から使っている人がいる」とか、「要介護認定によって、使える予算が決まる」などは、知らない人が多いかもしれません。
介護保険の相談窓口は、自分の住んでいる地域の「地域包括支援センター」です。
具体的な申し込み方法や、自分や自分の家族が介護保険を使える状態なのかどうかなどの相談は、地域包括支援センターにお問い合わせください。