医療費の6割は、65歳以上の高齢者に使われている
30年で2倍以上に増えた「医療費」
厚労省が、2019年度の医療費を発表しています。
2019年度に使われた医療費は、「44兆3,895億円」でした。
医療費は、年々、増加しています。
30年前の1989年度は「19兆7,290億円」でしたから、30年間で2倍以上に増えたことになります。
医療費の6割は高齢者が使っている
医療費を使っている人を年齢別に見てみましょう。
一番多いのは「65歳以上」でした。
つまり、医療費の6割以上は、高齢者の医療に使われています。
二番目以降も、年齢が高くなるほど医療費が大きくなります。
医療費の7割は病院が使っている
医療費が使われている用途を見てみましょう。
一番多いのは、内科や外科などの「医科診療費」です。
これが全体の7割以上を占めています。
次に多いのが、薬剤などの「薬局調剤費」、三番目が「歯科診療費」です。
国民が払っているのは「4割」
年間に40兆円を超える、巨額の医療費は、いったい誰が払っているのでしょうか。
その財源を見てみましょう。
一番多いのは、健康保険の被保険者つまり国民が払っている「保険料」です。
これと、病院の窓口で払う「患者負担」を合わせると、国民が直接払っている割合は、約4割です。
それ以外では、税金から支払われている「国と地方からの公費」が、約4割を占めています。
残りの2割は、協会けんぽや組合健保に対して、事業者(会社)が納めている「保険料」です。
まとめると、国民が4割、税金が4割、会社が2割と思えば良いでしょう。
医療費を一番使った県は「高知」
最後に、人口1人当たりの医療費を見てみましょう。
人口1人当たりの医療費の全国平均は「35万1,800円」です。
都道府県による差は大きく、一番多い「高知」は「46万3,700円」です。
これは、全国平均よりも10万円以上も多くなっています。
「高知」の1位は長年続いています。
その理由として、人口当たりのベッド数が多いために、入院率が高くなること、また入院期間が長いことが指摘されています。
逆に少ないのが「千葉」で、「30万8,500円」でした。
全国的な傾向として、「西高東低」で、西日本では1人当たり40万円を超える県が少なくありません。