男性の喫煙率は26%、女性は8.8%。4割以上が「加熱式」
都民に聞いた「健康」の現状
東京都が「健康に関する世論調査」の結果を公開しています。
この記事では、その中から喫煙に関する結果を紹介します。
2021年6月から7月にかけて行なわれた調査には、1,939人の都民が回答しています。
タバコの喫煙率は「16.4%」
回答者のうち、「タバコを毎日吸っている」人は「14.1%」でした。
これに「ときどき吸う日がある」人を合わせると「16.4%」が喫煙の習慣を持っています。
なお、男性は26.0%ですが、女性は8.8%しかなく、3倍以上の差があります。
喫煙は男女差が大きい習慣であることが分かります。
「加熱式」が「紙巻き式」に迫る
喫煙の習慣がある人に、吸っているタバコの種類を聞いています。
「紙巻き式」が6割、「加熱式」が4割強でした。
両方を吸っている人がいるので、合計は100%を超えています。
ここで「加熱式」と呼んでいるのは、専用機器を用いて加熱する「電子タバコ」などの製品です。
そして、「葉巻やパイプなど」は1.3%しかいません。
喫煙を止めたい人は3割弱
喫煙の習慣がある人に、喫煙を見直す可能性を聞いています。
「喫煙を止めたい」という人は3割弱、「本数を減らしたい」という人も3割弱でした。
半分以上の人は、喫煙を止めたり、せめて本数を減らしたいと思っています。
一方、積極的に「止めたくない」という人も3割弱います。
「COPD」を知っている人は半分以下
タバコが原因とされる病気はいくつかありますが、関連性が高いと言われているのが「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」です。
COPDは、息切れと、長く続く咳と痰を特徴とする病気です。
以前は慢性気管支炎や肺気腫(はいきしゅ)と呼ばれていましたが、現在はまとめてCOPDと呼ばれています。
COPDは、多くの場合、長期間の喫煙が原因で、中年以降に症状が表れます。
今回の調査では、「COPDという病気」を知っているかどうかを聞いています。
COPDを「知っていた」人は2割ほどでした。
「内容は分からないが、名前は聞いたことがある」を加えても、半分まで届きません。
つまり、喫煙者の半分以上は、喫煙が原因となる重要な病気について知らずに吸い続けているのです。
知識を持った上で決定を
タバコの喫煙率は、以前はJT(日本たばこ産業)が調査していましたが、2018年を最後に調査を終了しています。
最後の調査では、喫煙率は「17.9%」でした。
今回の調査は、都民限定ではありますが、喫煙率が「16.4%」であることが分かりました。
直接比較することはできませんが、喫煙の習慣を続けている人が少なくないことが分かります。
また、男性は女性の3倍以上も喫煙率が高いことや、タバコとの関連性が高い「COPD」という病気の認知度が低いことなど、興味深いデータが得られています。
喫煙を続けるにしても、止めるにしても、タバコの長所と短所を知った上で、決めることが望ましいでしょう。