男性特有の死因は「自殺」と「COPD」、女性は「認知症」
性別によって死因も異なる
男性と女性の違いは、いろいろありますが、「死ぬ原因」にも違いがあります。
厚労省のデータを使った10位までのランキングで、その違いを見ていきましょう。
男性は「自殺」と「COPD」が多い
男性の死亡原因の1位は「悪性新生物」、つまりガンです。
2位が、心臓病で「心疾患」と呼ばれます。
3位は「脳血管疾患」と呼ばれる、脳出血や脳梗塞(のうこうそく)などの病気です。
この3つは、「三大疾病(しっぺい)」と呼ばれます。
この三大疾病は、女性のランキングでも上位に入っており、性別を問わずに、死亡原因として定番の病気です。
一方、男性のランキングだけに入っているのが、9位の「自殺」と、10位の「COPD」です。
「自殺」を選ぶ男性は多く、警察庁の統計でも、毎年、女性の2倍以上が自殺しています。
「COPD」は、以前は慢性気管支炎や肺気腫(はいきしゅ)と呼ばれていた病気で、日本語では「慢性閉塞性肺疾患」と言います。
「COPD」は、タバコとの関連性が高い病気です。
男性はタバコの喫煙率が高いため、「COPD」になりやすく、それが死因となる人が多いのです。
男性は、三大疾病などに加えて、「自殺」と「COPD」にも、注意してください。
男性の死因ランキング
- 1位:悪性新生物
- 2位:心疾患
- 3位:脳血管疾患
- 4位:肺炎
- 5位:老衰
- 6位:誤飲性肺炎
- 7位:不慮の事故
- 8位:腎不全
- 9位:自殺
- 10位:COPD
女性は「認知症」が多い
女性の死亡原因の1位は「悪性新生物」、2位は「心疾患」で、男性と同じです。
しかし、3位には「脳血管疾患」ではなく、「老衰」が入ります。
女性は、男性に比べて平均寿命が長く、高齢が原因で「老衰」で死亡する人が多いのです。
同じように、高齢が原因となりやすい「アルツハイマー病」が8位に、「血管性等の認知症」が9位に入っています。
この2つは、男性用のランキングには入っておらず、女性に特有の死因と言えるでしょう。
なお、「血管性等の認知症」は、脳出血や脳梗塞などが原因となる認知症です。
「脳血管疾患」は、直接的な死因となっているだけではなく、後遺症も恐ろしい病気なのです。
女性の死因ランキング
- 1位:悪性新生物
- 2位:心疾患
- 3位:老衰
- 4位:脳血管疾患
- 5位:肺炎
- 6位:誤飲性肺炎
- 7位:不慮の事故
- 8位:アルツハイマー病
- 9位:血管性等の認知症
- 10位:腎不全
生活習慣を避ける
男性と女性では、死因に違いがあることが分かりました。
しかし、死因の上位が、ガン、心臓、脳の三大疾病と「老衰」であることは、男女共通です。
三大疾病を避けるためにできることは限られていますが、喫煙や肥満を避け、生活習慣を改善しましょう。
老衰を避けることはできませんが、それに至る前に大きな病気を避ける努力をしてください。