日本の人口ピラミッドは「壺(つぼ)型」。高齢者が多く、子供が少ない
国勢調査で分かった最新の「人口ピラミッド」
2020年の国勢調査のレポートには、最新の「人口ピラミッド」が掲載されています。
「人口ピラミッド」は、年齢別の人口をグラフにしたものです。
「人口ピラミッド」の形を見ることで、その社会の人口の現状や、将来の姿が分かります。
「富士山型」から「壺型」へ
2020年の日本の人口ピラミッドは、典型的な「壺(つぼ)型」です。
年代別に見ると、第一次と第二次の2つのベビーブームの年代の人口が多く、幅を取っています。
一方、子供など若い年代の人口が少ないため、ピラミッドは、下がやせた壺型になっています。
このような形になるのは、高齢者の人口が多く、子供の数が少ないためです。
100年前の1920年の人口ピラミッドは「富士山型」でした。
これは、子供の数が多く、高齢者の数が少ない状態を示しています。
日本の人口ピラミッドは、100年の間に、発展途上国などに多い「富士山型」から、少子高齢化が進んだ「壺型」へと大きく変わりました。
40年前は「釣り鐘型」だった
人口ピラミッドのタイプには、もう一つ「釣り鐘型」があります。
例えば、40年前の1980年の人口ピラミッドは「釣り鐘型」でした。
1980年には、子供の数は減り始めていますが、まだ高齢者の寿命が短く、頂上がとがった形をしています。
これに比べると、2020年の人口ピラミッドは、80歳以上でも多くの人口があるため、頂上が平たくなりました。
そして、1980年の人口ピラミッドに比べると、子供の数が大きく減り、底に近い部分が狭くなっています。
日本の人口ピラミッドは、100年前の「富士山型」から、「釣り鐘型」を経て、「壺型」に変わったのです。
2040年の人口ピラミッド
では、20年先の2040年には、人口ピラミッドは、どんな形になっているのでしょうか。
国立社会保障・人口問題研究所によれば、2040年の人口ピラミッドは、現在よりもさらに底の部分が狭い「壺型」になっています。
これは、今よりもさらに、子供の数が少なくなることを示しています。
そして、2040年には、人口が多い「第二次ベビーブーム」世代が65歳を超えます。
また、「第一次ベビーブーム」世代も90代ながら、それなりに多く生き残る見込みです。
これらの理由から、2040年には、高齢者の人口が過去最大になると予測されています。
20年先の細い壺型が示す社会に向けて、今、できることから備えを進めていきましょう。