消費者庁が「クレベリン」に措置命令。「二酸化塩素による空間除菌」に合理的根拠なし
[2022/1/28 00:00]

「クレベリン」に措置命令
消費者庁は、大幸薬品に対して、景品表示法による違反があったとして、措置命令を行ないました。
対象となったのは、二酸化塩素を主成分とする消毒薬「クレベリン」シリーズの4製品です。
消費者庁では、「空間に浮遊するウイルス・菌を除去」「身の回りの空間のウイルス・菌を除去する」などと表示したことを問題としています。
消費者庁は、「大幸薬品が提出した資料が、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった」とし、このような表記を行なわないように措置命令を行ないました。
措置命令の対象となった製品
- クレベリン スティック ペンタイプ
- クレベリン スティック フックタイプ
- クレベリン スプレー
- クレベリン ミニスプレー

大幸薬品は争う姿勢
措置命令を受けた大幸薬品は、公開したリリースで「当社としては、この措置命令は誠に遺憾と受け止めており、速やかに必要な法的措置を講じてまいります」と、対抗する姿勢を見せています。
大幸薬品のリリースによれば、今回の措置命令は、次のような経緯をたどっています。
- 消費者庁が措置命令案を提示して、大幸薬品に弁明の機会を与える
- 大幸薬品が措置命令の差し止めを求めて訴訟
- 東京地方裁判所が「クレベリン置き型」については、合理的根拠があると判定。「クレベリン スティック ペンタイプ」など4製品については合理的根拠を否定
- 大幸薬品が4製品について、東京地方裁判所に即時抗告
- 消費者庁が4製品に対して措置命令
つまり、大幸薬品側は、措置命令の内示を受けた段階で、すぐに対抗する姿勢を見せ、裁判を起こしています。
その上で、東京地方裁判所が、4製品の合理的根拠を否定したことに対して即時抗告を行なっています。
つまり、東京地方裁判所の判定を不満として、高等裁判所に判断を仰いだのです。
これは主力商品である「クレベリン」を、なんとしても守るという意識の強さを示すものです。
そのような手続きが続いているさなかに、消費者庁が措置命令を出したのですから、さらに争いが続くことは避けられないでしょう。
今後も、大幸薬品が訴訟を継続することは確実で、決着が付くまでには、長い道のりが予想されます。