消費者庁、「イオンの力で浮遊物質を除去する」首掛け式空気清浄機を摘発

首掛け式空気清浄機を摘発
消費者庁は、大作商事とイトーヨーカ堂に対して、景品表示法による違反があったとして、措置命令を行ないました。
対象となったのは、首掛け式のパーソナル空気清浄機「ピュアサプライ」です。
消費者庁では、「イオンの力で顔周辺の浮遊物質を除去」「首に掛けるだけで電車、飛行機の中、オフィスや飲食店、病院の待合室などの人込みの中にいても顔周辺の空気をクリーンに保つことができます」などと表示したことを問題としています。
消費者庁は、「2社が提出した資料が、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった」とし、このような表記を禁止する措置命令を行ないました。
措置命令を受けた大作商事は、公開したリリースで「今回の措置命令は誠に遺憾であり、今後の対応については法的措置を取ることも念頭に慎重に検討いたします」と、争う姿勢を見せています。
一般的な空間での有効性が問題
消費者庁では、2022年に入って、「空間除菌」や「ウイルス除去」などをうたう、首掛け式やペン式の殺菌剤について、相次いで措置命令を出しています。
首掛け式やペン式の殺菌剤は、顔の下から有効成分が出ることで、口や鼻の周りの空気を清浄する構造です。
それらの多くは、ごく小さい密閉空間での試験結果をもとに「99.9%除去」などの表示を行なっていました。
しかし、消費者庁は、これを合理的な根拠としていません。
消費者庁は詳細を明らかにしていませんが、問題とされた表示から判断すると、風や空気の動きのある一般的な空間では、その有効性が明らかではないと判定しているものと思われます。
同様の製品は、まだ市場に多く出回っています。
しかし、大手の製品が、立て続けに措置命令を受けたことで、極端な表示を行なう製品は少なくなっていくものと思われます。
