女性の自殺者が2年連続で増加。「健康」や「家庭」に悩み

[2022/3/20 00:00]

昨年よりわずかに減少

厚労省と警察庁から、2021年の自殺者数の確定値が公開されました。

2021年の自殺者は「21,007人」で、前年に比べて74人減りました。

自殺者数は、長期的には減少しています。

しかし、2021年は11年ぶりに増加に転じたので、今年の動向が注目されていました。

出典:厚労省、警察庁

女性の自殺者が増えている

性別では、男性が66.4%を占めており、男性の自殺者は女性の2倍います。

ただし、男性の自殺者は12年連続で減少していますが、女性は2年連続で増加しました。

新型コロナウイルスによる生活環境の変化が、女性の自殺の増加に影響している可能性があります。

「50代」の自殺が増加

自殺者を年代別にみると、「50代」が最多でした。

次いで、「40代」「70代」「60代」と中高年が続きます。

2021年は、「40代」と「50代」の自殺者が増加しました。

とくに「50代」の自殺は増えており、「40代」を上回って一番多い年代となりました。

出典:厚労省、警察庁

「健康問題」が動機の半分を占める

自殺を選んだ動機が分かっている人は、全体の7割ほどです。

一番多い動機は「健康問題」でした。

「健康問題」は、全体の半分近くを占めています。

そして、「経済・生活問題」「家庭問題」「勤務問題」が続きます。

この3つは、2020年よりも増加しており、新型コロナウイルスによる経済状況の悪化や自宅勤務の増加などの影響が感じられます。

出典:厚労省、警察庁のデータをもとに編集部が作成

女性の比率が高い動機

2021年は、女性の自殺が増えた年でした。

では、女性はどんな動機で死を選んでいるのでしょうか。

女性の割合が高い動機は「健康問題」「男女問題」「家庭問題」です。

女性の比率は全体では33%ですが、この3つの動機では、40%を超えています。

逆に「勤務問題」と「経済/生活問題」は、女性の比率が少なく、男性が死を選びやすい動機であることが分かります。

出典:厚労省、警察庁のデータをもとに編集部が作成

困ったときは電話やSNSで相談を

厚労省では、自殺を検討するような問題を抱えている人に対して、さまざまな相談窓口をまとめたWebページを用意しています。

相談窓口は電話が中心ですが、LINEやオンラインチャットなどで相談できる窓口も増えています。

困った状況に追い込まれたときは、これらの相談窓口を利用してください。

[シニアガイド編集部]