「組合健保」の保険料が、「協会けんぽ」より安いとは限らない
会社員の健康保険は2種類ある
会社員が入っている健康保険には、「組合健保」と「協会けんぽ」の2種類があります。
ざっくり言うと、「組合健保」は大企業とその系列企業、「協会けんぽ」は中小企業が中心です。
「組合健保」のメリットはいろいろありますが、ふだん感じやすいメリットは「保険料が安い」ことでしょう。
「協会けんぽ」の健康保険料率は、平均で「10.0%」です。
しかし、「組合健保」の中には、健康保険料率が「6.0%未満」の組合が3つもあります。
つまり、「協会けんぽ」の半額に近い保険料なのです。
これだけ料率が違うと、同じ額面の給与でも、手取りの金額に差が出ます。
自社で保険組合を作れる規模の大企業に勤めると、こういうメリットもあるのです。
「協会けんぽ」より高い保険料
しかし、最近では健康保険料率が高い保険組合が少なくありません。
2022年度では、健康保険料率が「10.0%」を超える組合が、全体の「22.5%」もあります。
これでは、「協会けんぽ」の方が、保険料が安くなってしまいます。
介護保険も「協会けんぽ」より高い
ついでに、介護保険の保険料率を見てみましょう。
介護保険料は、40歳以上になると徴収されます。
そして、「協会けんぽ」の介護保険料率は、2022年は「1.80%」です。
しかし、「組合健保」の中には、「協会けんぽ」よりも高い「1.9%以上」の組合が、全体の「21.7%」もあります。
つまり、全体の5分の1以上が、「協会けんぽ」よりも高い保険料になっているのです。
高い保険料を払っている可能性も
ここまで見てきたように、健康保険料や介護保険料が高い組合があるのは、赤字の保険組合が多いためです。
2022年度は少し減りましたが、「69.5%」の保険組合が赤字の予算を組んでいます。
これでも、2021年度の77.0%に比べれば減っていますが、それでも全体の7割近くが赤字なのです。
赤字になる最大の理由は、高齢者の医療費を援助するために義務付けられた拠出金です。
これは、保険組合の努力で減らすことができません。今後も赤字の組合は増えることでしょう。
多くの保険組合では、保険料率をWebで確認することができます。
もし、あなたの健康保険が「組合健保」だったら、一度、保険料率を確認してください。
ひょっとしたら、あなたが想像していたよりも高い保険料になっている可能性もあります。
そして、その保険料率が「協会けんぽ」よりも高い場合は、もしかしたら健康保険が「協会けんぽ」に変わる可能性を覚悟しておきましょう。