新型コロナの「巣ごもり」で、公営ギャンブルが絶好調
公営ギャンブルの業績が好調
競馬、競輪/オートレース、ボートレースなどの公営ギャンブルの業績が好調です。
企業情報サービスの東京商工リサーチによれば、これらの運営団体の業績は「4兆311億円」で、新型コロナ前に比べて12.7%も伸びています。
新型コロナウイルスの影響で、公営ギャンブルの投票券発売所は、営業を停止したり、客の入場を制限しています。
しかし、インターネットを通じた投票券の販売が、自宅での巣ごもりという生活様式に適合し、業績の拡大につながりました。
2年間で売上が1.8倍に
インターネットによる投票の好調さは、会員数や売上の増加に表れています。
例えば、日本中央競馬会(JRA)の電話/インターネット投票会員数は、2020年からの2年間で446万人から560万人へと、100万人以上増えました。
また、東京都競馬が運営する地方競馬インターネット投票「SPAT4」の売上高も、2年前の1.8倍に増え、「4,361億円」に達しました。
競馬関連だけで3兆円を超える
このように、インターネットと電話の投票が増えたことで、競馬関連の12法人の売上は増え続けています。
最新の売上高は「3兆6,315億円」でした。
ここ2年間は、毎年5%ずつ成長を続けています。
競馬業界も新型コロナにより、大きな痛手を受けています。
例えば、緊急事態宣言下での無観客開催や大幅な入場数の制限、数カ月間にわたる場外馬券場での発券停止など、苦しい状況が続きました。
それによって、競馬場や投票券発売所の売上は大幅に減少しましたが、インターネットと電話による投票増が、それを埋めてなお上回るほど好調だったのです。
増やしたファン層の引き止めが課題
公営ギャンブルは、レースのウェブ観戦や、ネットによる投票など、新型コロナによる生活のバーチャル化をうまく受け止めて成長しました。
同じギャンブル業界である「パチンコ」が、この2年間で26.9%も売上を減らし、売上高が3兆円を切ったのとは対照的です。
好調が続く、公営ギャンブル業界の課題は、新型コロナの流行が一段落したときに、バーチャル化で獲得した新しいファン層を引き止め、リアルな行動につなげることでしょう。