新型コロナの影響で「葬儀」の費用が減っても、「お布施」だけは変わらない

[2022/5/29 00:00]

「喪主」に聞いた葬儀の費用

終活関連サービス会社の鎌倉新書が、「お葬式に関する全国調査」の結果を公開しています。

2022年3月に行なわれたインターネット調査には、喪主を経験したことのある40歳以上の男女1,955人が回答しています。

この記事では、葬儀の費用について紹介します。

新型コロナの影響で、葬儀にかかる費用や、参列者から受け取る「香典」の金額に大きな変化がありました。

葬儀の費用は「110.7万円」

葬儀にかかった費用の総額は「110.7万円」でした。

前回の2020年では「184.3万円」だったので、大きく減少しています。

葬儀にかかる費用は、一般的には葬儀の規模が大きいほど高額になり、小さいほど安価になります。

新型コロナの流行によって、規模が大きい「一般葬」が減少し、家族と親族だけの「家族葬」が過半数を超えたことが価格下落の要因でしょう。

まず、参列者が減少したことにより、当初よりも小規模な斎場を使用することで、「基本料金」が下がります。

また、「会食に参加する人を少なくする」「会食を取り止める」「会食せず、弁当やグルメギフトなど持ち帰りにする」などの変化で、飲食費も少なくなります。

そして、参列者1人につき1つ用意される返礼品も、参列者の減少に伴って数が減ります。

これらの要素によって、葬儀にかかる金額が大きく下がったのです。

出典:鎌倉新書

「香典」の平均は「47.2万円」

参列者から受け取る「香典(こうでん)」の平均金額は「47.2万円」でした。

これも、前回に比べて大きく減っています。

香典の相場は決まっているので、1人当たりの金額は、そんなに変わりません。

しかし、葬儀の規模が小さくなり、参列者が減少したために、総額が減ってしまったのです。

「香典」の金額で一番多いのは「10万円未満」でした。

そして、「20万円以上~40万円未満」と「10万円以上~20万円未満」が続きます。

出典:鎌倉新書

「お布施」の金額は「22.4万円」

最後に、寺院・教会・神社など宗教者への御礼である「お布施(ふせ)」を見てみましょう。

「お布施」の平均金額は「22.4万円」でした。

これは、前回の23.7万円から、あまり減っていません。

つまり、「お布施」には、コロナ禍の影響が、ほぼ無かったのです。

葬儀の規模が小さくなり、参列者が少なくなっても、「お布施」の金額を減らすことは難しいのでしょう。

出典:鎌倉新書
[シニアガイド編集部]