葬儀費用の平均は「186万円」。規模の縮小で「香典」はアテにしない
互助会による葬儀の実態調査
冠婚葬祭互助会の「くらしの友」が、「葬儀の実態調査」の結果を公開しています。
2020年7月に行なわれたインターネット調査には、3年以内に葬儀の喪主を経験した40~79歳の男女400人が回答しています。
なお、この調査は、過去にも行なわれているため、時代による葬儀の変化が捉えられています。
葬儀費用の平均は「186万円」
まず、「葬儀の費用」を見てみましょう。
今回の調査では、葬儀費用の合計は「186万円」でした。
費用の内訳は、「葬儀社への支払い」が「112万円」、「お寺への費用」が「37万円」、「会葬者への接待費」が「36万円」です。
過去の調査を見ると、葬儀費用は常に200万円を超えていましたが、今回、初めて100万円台となりました。
もっとも費用が高かった1993年の「405万円」に比べると、今回の調査では半分以下となっています。
「葬儀」の規模が小さくなった
時代による葬儀の変化は「参列者数」にも表れています。
今回の調査では、回答者の8割以上が「参列者が99人以下」としています。
そして、100人以上が集まる大規模な葬儀は、全体の2割以下に留まっています。
しかし、1999年は逆で、「99人以下」が2割で、「100人以上」が8割を占めていました。
この20年ほどで、葬儀の規模が大幅に縮小されました。
葬儀の分類で言えば、「一般葬」が減り、「家族葬」や「直葬」が増えたのでしょう。
「香典」をアテにしなくなった
葬儀の規模の縮小は、葬儀費用の資金源にも変化をもたらしました。
葬儀の費用は、「故人の預貯金」と「家族の預貯金」が、大半を占めています。
そして、1999年の調査では、全体の37%の人が「香典」も葬儀費用のもととしていました。
しかし、今年の調査では、「香典」を葬儀費用に充てることを考えている人は12%しかいません。
つまり、葬儀の規模が小さくなり、参列者が減ったことで、資金源としての「香典」をアテにしなくなったのです。
葬儀の規模や形の変化は、葬儀を執り行う資金にも影響を与えているのです。