東京都の調査で分かった、「オミクロン株」の後遺症
東京都による「後遺症」の調査
東京都が、新型ウイルス感染症オミクロン株の後遺症についてレポートを公開しています。
このレポートは、東京都が8つの公立病院に設けた「コロナ後遺症相談窓口」の相談内容を分析したものです。
今回のレポートでは、2022年1月から4月までに受けた2,039件の相談が対象となっています。
この期間は、オミクロン株による第6波の流行時期にあたるので、オミクロン株による後遺症の症状がよく分かる内容になっています。
大きな病気をしていなくても「後遺症」は出る
相談者のうち、なんらかの既往症(以前にかかった病気)がある人は、26%でした。
全体の74%の人は、既往症がありませんでした。
つまり、新型コロナの後遺症は、これまで大きな病気をしたことがなくても発生します。
新型コロナの症状が軽くても「後遺症」は出る
「後遺症」の原因となった新型コロナの病状を聞いています。
肺炎と診断されたり、酸素吸入が行われる「中等症」以上の人は3%しかいません。
「軽症」以下の人が97%を占めています。
つまり、新型コロナ自体の症状が軽くても、後遺症が残る可能性があります。
オミクロン株では「咳(せき)」が増える
「オミクロン株」が中心の今回の後遺症の症状と、「デルタ株」が中心だった2021年3月から10月の症状を比較しています。
オミクロン株では、「咳嗽(がいそう)」つまり「咳(せき)」と「倦怠感」つまり「だるさ」が多くなりました。
一方、「味覚障害」「嗅覚障害」「脱毛」が減少しています。
高齢でなくても「後遺症」は出る
後遺症の相談者の年齢をみると、「20代」から「50代」が多く、年齢の幅が広いことが分かります。
新型コロナには、高齢者ほど重症化しやすく死亡率が高いという特徴がありますが、「後遺症」については年齢を選びません。
「10歳未満」や「10代」の相談例もあります。
新型コロナの後遺症は、死亡には至りませんが、生活の質を大きく落とします。
年齢が若いから感染しても大丈夫と思わず、3回目のワクチン接種や、日常生活での感染予防につとめてください。