太陽光発電で多発する「トラブル」と「詐欺」
投資経験者に聞く、トラブルの実情
太陽光発電関連の和上ホールディングスが、「太陽光発電投資におけるトラブル」についてアンケート結果を公開しています。
2022年5月に行なわれたインターネット調査には、太陽光発電投資の運用経験がある1,023人が回答しています。
投資の理由は「環境問題への関心」
「太陽光発電投資を始めた理由」を聞いています。
一番多いのは「環境問題に興味があった」でした。
太陽光発電のクリーンなイメージに惹かれて、投資を決める人が多いのです。
そして、「節税の一環として」「将来性の高い投資だから」「リスクの少ない投資だから」など、投資のメリットを重視する人が続きます。
売る側の情報で判断することが多い
太陽光発電は、一つひとつ条件が異なっており、どの物件に投資するかが重要です。
「物件を選ぶ際、何を参考にして決めたか」を聞いています。
一番多いのは「インターネットの情報サイト」でした。
それ以後も「太陽光発電投資の仲介企業」「太陽光パネルの売買企業」など、売る側の情報に頼って投資を決めています。
太陽光発電については、中立的な立場による情報が少なく、投資を募る側の情報に誘導されやすいことが分かります。
「トラブル」は現場で発生する
「太陽光発電投資を始めるにあたって、どのようなトラブルが多いと思いますか」と聞いています。
半分以上の人が「ソーラーパネルの施工不良」を挙げています。
それ以外にも、「住民トラブル(反対運動を含む)」「整地不良」「日照妨害」など、現地におけるトラブルが続きます。
そして、「ご自身を含め、周囲の方に裁判沙汰になった」が、3割もいました。
太陽光発電は、発電設備という現物に投資するため、それに伴なうトラブルがつきものです。
また、土地や生活環境に絡んだトラブルなので、裁判へとエスカレートしやすいのです。
投資を考えるときに、投資効率などの数字だけで判断してはいけない分野であることが分かります。
太陽光発電は詐欺が多い
「投資運用していて、“これは詐欺では”と思ったことはありましたか」と質問したところ、半分以上の人が「ある」と答えています。
それだけ、太陽光発電を使った犯罪が広がっていることが分かります。
「詐欺の手口」も多彩です。多い順に見てみましょう。
- 「説明と実際の発電量が異なった」
- 「メンテナンスが不要など説明に虚偽があった」
- 「相場よりも高額な工事費を請求された」
- 「業者と連絡が取れなくなった」
- 「架空の投資ファンドを持ちかけられた」
悪意のある業者がやろうと思えば、やり放題であることが分かります。
投資に失敗しないコツ
最期に「太陽光発電投資を始めるうえで、失敗しないコツ」を聞いています。
「基本的な太陽光発電投資の情報を調べる」と「即決しないこと(時間をかけて検討すること)」が、ほぼ並びました。
知識がないままセールストークに流されて契約するのではなく、必要な知識を得た上で冷静に判断することが必要とされています。
国民生活センターのサイトでも、太陽光発電の投資について、トラブル例が掲載されていますから、参考にしてください。
また、「業者の実態や評判をネットで調べる」ことは欠かせません。
太陽光発電については、基礎的な知識が普及していないため、業者の言うことを鵜呑みにして投資を決める人が少なくありません。
太陽光発電に限らず、「投資」とは大切なお金を預ける行為です。
「自分が分からないことにはお金を出さない」という態度で臨んでください。