「簡単にお金が儲かる」と誘われると、5%の人が契約してしまう
「簡単にお金が儲かる」という誘いの危険性
「~するだけで、簡単にお金が儲かる」というたぐいの、高収入で誘う儲け話は、時代に合わせて商材を変えながら、いつも私達を誘ってきます。
これらの儲け話への投資は、思っていたように儲からなかったり、会社が破綻して投資した金額が戻ってこないことが少なくありません。
例えば、純金ファミリー契約証券の豊田商事、和牛商法の安愚楽牧場、健康食品のロイヤルフーズ、健康機器のジャパンライフなど、過去にも多くの例があります。
最悪の場合、もともと投資そのものが、詐欺である可能性もあります。
この記事では、消費者庁の調査結果をもとに、「儲け話」の現在の状況を紹介します。
2018年11月に行なわれた訪問調査には、全国の15歳以上の男女6,053人が回答しています。
勧誘を受けた経験がある人は3分の1
回答者のうち、副業や投資などの儲け話の広告を見たり、勧誘を受けたりした経験がある人は、35.8%でした。
つまり、3人に1人以上の割合で、その手の勧誘を受けていることになります。
「簡単に儲かる方法」が一番多い
儲け話の勧誘を種類別に見てみましょう。
一番多いのは、「簡単に儲かる方法や、ノウハウを教えるとするもの」でした。
これに、「不動産投資」や、「事業への投資」が続きます。
勧誘を受けた「儲け話」の内容
- 簡単に儲かる方法や、ノウハウを教えるとするもの
- 不動産オーナー投資(土地やマンションなど不動産への投資)
- ファンド型(事業)投資商品(農業、畜産、太陽光発電などへの投資)
- 海外宝くじ(購入した覚えのない海外の宝くじに高額当選したとの連絡など)
- 暗号資産(仮想通貨)の交換と関連付けた投資
10%の人が検討し、5%の人は契約してしまう
儲け話の勧誘を受けた人の8割以上は、「契約することを検討しなかった」としています。
大部分の人は、このような儲け話の怖さを知っていて、無視しています。
しかし、回答者の10%以上の人が「契約することを検討した」としており、5%の人は「契約することを検討し、最終的に契約」してしまいました。
検討した理由は「知人が勧めた」から
儲け話の勧誘に「契約することを検討した」人に限定して、その理由を聞いています。
一番多いのは「知人が勧めていた」からでした。
「事業者が信用できると思った」も、ほぼ同じぐらいの割合です。
中には、「有名人が勧めていたから」という人もいます。
契約することを検討した理由
- 知人が勧めていた
- 事業者が信用できると思った
- 『今回限り』、『あなただけ』など、限定の特典があった
- 広告が掲載されている媒体が信用できると思った
- 元本保証だった
- 有名人が勧めていた
ここで気がつくのは、契約することを検討した人は、投資などの仕組み自体が本当に儲かるかどうかは気にしていません。
知っている人が勧めたとか、限定だったというように、本来の仕組みとは関係のない部分に心を奪われてしまうのです。
不安につけこまれないようにしましょう
「簡単にお金が儲かる」という儲け話への勧誘は、人々の不安につけこみます。
例えば、「金融庁の件で分かるように、年金だけでは生活できないと政府も言っています。手持ちのお金が少なくても、こういう投資をすることでお金を増やしておけば、将来の人生が楽になります。いま、決心すれば、左うちわで安定した老後を過ごすことできますよ」などと誘われれば、心が動いてしまいます。
しかし、世の中にそんなにおいしい話が、簡単に転がっているわけがありません。
また、他人が、理由もなく自分「だけ」を親切にしてくれることはありません。
一番良いのは、そういう勧誘に耳を傾けないことです。
どうしても投資したくなったら、投資をする前に、家族や公的機関に相談をしてください。
自分の大切なお金を、人に預けるのですから、せめてそれぐらいの手間は掛けましょう。