10月からパート/バイトの保険が改正。社保の対象が拡大

[2022/9/7 00:00]

10月から社保の制度改正

2022年10月から、社会保険と厚生年金の適用範囲が広くなります。

これに伴い、パート/アルバイトなどの「短時間労働者」において、社会保険の加入対象となる人が増えます。

この記事では、制度変更の内容と、そのメリットを紹介します。

なお、「短時間労働者」というと、自分には関係がないと思う男性もいるでしょう。

しかし、定年後に再雇用された場合は、短時間労働者となっている場合が少なくありません。

自分の老後の問題として、関心を持ってください。

出典:厚労省

小さい事業所で短期間雇われる人が対象に

10月からの改正では、次の2点が変更されます。

  • 「特定適用事業所」の条件が被保険者(短時間労働者を除く)の総数が“常時500人”を超える事業所→「常時100人」に変更
  • 「短時間労働者」の条件が「雇用期間が“1年以上”見込まれること」→「2カ月を超えて」に変更

つまり、「特定適用事業所」と「短時間労働者」の範囲が広がり、小さい事業所で短期間雇われる人も、加入できるようになります。

出典:日本年金機構

将来の年金が増えるのがメリット

適用範囲が拡大され、自分が社保/厚生年金に加入可能になった場合、どんなメリットがあるのでしょうか。

まず、国民健康保険/国民年金に比べて、将来の年金額が増えるのはメリットです。

ざっくりとした比較ですが、老後の年金の平均月額は、国民年金が「5万円」、厚生年金は男性が「17万円」、女性が「10万9千円」です。

少なくとも、厚生年金に加入した方が、将来の年金を増やせる可能性が高いと言えるでしょう。

また、大きな障害を負った場合に支給される「障害年金」も、障害厚生年金の方が、カバーされる範囲が広く、支給額も大きくなります。

扶養に入っている場合は手取りが減る

社保/厚生年金への加入のデメリットとしては、毎月の給与から保険料が天引きされることです。

天引きされる保険料は、会社が半分負担していますが、それでも給与の5~6%になります。

ここで悩むのが、自分が配偶者の社会保険の扶養(ふよう)に入っている場合でしょう。

扶養に入っていれば保険料を払わずにすみます。

つまり、新たに払う保険料の分だけ、手取りの金額が少なくなります。

将来のことを考えると、社保/厚生年金に加入することをおすすめしますが、「扶養から出たくない」「少しでも現金収入を増やしたい」という場合もあるでしょう。

その場合は、働き方を変えて、「1週間に働く時間を20時間未満にする」「賃金を月額88,000円未満」にすると、社保/厚生年金の加入条件から外れます。

ただし、政府は、できるだけ多くの働く人を社会保険/厚生年金に加入させるという方針で望んでいます。

どうせいつかは入るなら、早く入った方が、将来の年金が増えるという考え方もあります。

今回の改正を、自分の働き方について考えるきっかけとし、会社とも良く相談して働き方を決めてください。

[シニアガイド編集部]