「生後6か月から4歳」を対象とした乳幼児用コロナワクチンの接種が始まる
今週にも「接種券」が届き始める
乳幼児用を対象とした新型コロナワクチンの接種が始まります。
今回は、ファイザー製の乳幼児用のワクチンを使用したものです。
対象となる年齢は「生後6か月から4歳」です。
早ければ今週中にも、「接種券」が手元に届き始めます。
いきなり「接種券」が届き、接種すべきかどうか迷う家族も少なくないでしょう。
この記事では、厚労省の資料をもとに、乳幼児への接種を検討するための、3つの情報を紹介します。
乳幼児の死亡例は少ない
そもそも、新型コロナウイルスは、乳幼児に対して、どれぐらい危険なのでしょうか。
乳幼児用ワクチンの認可の際に検討された資料を見てみましょう。
2022年1月から8月までの死亡例として検討されたのは「41例」でした。
このうち、詳細な検討が可能だった29例のうち、基礎疾患が有ったのは14例、無かったのが15例でした。
新型コロナによる乳幼児の死亡は多くないので、症例が少ないのです。
また、死亡例の半数は、なんらかの基礎疾患を持っていました。
厚労省による統計を見ても、新型コロナの死亡者は、高齢者が中心であることが分かります。
積極的推奨は「アメリカ」だけ、条件付きは「イスラエル」
乳幼児用ワクチンに対する諸外国の状況を見てみましょう。
現在、積極的に接種を推奨しているのは「アメリカ」だけです。
条件付きで接種を推奨しているのが「イスラエル」で、「慢性疾患または免疫抑制などのハイリスク児」に対して接種を推奨しています。
イスラエルは、新型コロナワクチンの接種に積極的な国ですが、それでも条件付きとしています。
なお、「カナダ」は、推奨はしていませんが、接種を認めています。
イギリス、フランス、ドイツなどは、まだワクチンを承認していません。
3回目の接種が必要
今回のワクチンは、大人用のワクチンとは異なり、3回の接種がセットになっています。
- 1回目の接種
- 1回目の接種から3週間以上の間隔をあけて2回目接種
- 2回目の接種から8週間以上の間隔をあけて3回目接種
接種に必要な「接種券」の発送や、接種の予約は市区町村ごとに行なわれます。
接種の費用は公費で負担されているので、無料です。
基礎疾患がある場合は接種の検討を
ここまで見てきた情報をまとめてみましょう。
- 乳幼児の死亡例は少なく、半分は基礎疾患があった
- 積極的に推奨している国は「アメリカ」だけ
- いったん始めると3回の接種が必要
こうしてみると、すべての乳幼児が接種を急ぐべき状況ではないことが分かります。
ただし、中枢神経疾患や心疾患などの基礎疾患がある場合は、死亡例が多いことと、イスラエルが推奨していることを考慮して、主治医と相談の上で接種を検討すべきでしょう。
乳幼児のワクチン接種は、子供の状態や家族の状況などにより客観的に判断してください。