食品の値上げは終わっていない。来年の4月までに7千品目が値上げ予定
「食品」の値上げが生活を直撃
2022年12月現在、さまざまな商品やサービスの価格が上昇し、インフレと呼ばれる状況となっています。
なかでも、値上がりする商品が多く、生活に大きな影響を与えているのが「食品」です。
企業情報サービスの帝国データバンクのレポートをもとに、食品市場の価格の動向を紹介します。
1年で2万品目が値上げ
2022年に値上げされた食品は「2万822品目」に上り、値上げ率も平均14%という高率でした。
特に10月は、前年の2.8倍にあたる「約6,700品目」が値上げされました。
これだけ多くの品目が一斉に値上げされたのは、バブル崩壊以降の過去30年間でも類を見ません。
2022年の食品市場の値上げの勢いは、記録的なものだったのです。
複数の原因が「値上げ」を招く
2022年の値上げの状況を振り返って見ましょう。
値上げが本格化した2022年4月でした。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響により、小麦粉、食用油、大豆、砂糖などの「原材料が高騰」しました。
そのため、これらを原料とする加工食品が値上げに追い込まれました。
そして、8月には「原油の価格」が上がりました。
原油価格の上昇は、燃料や物流のコストに影響します。
また、原油に由来するプラスチック製品や包装資材も価格が上がっています。
さらに、10月には、32年ぶりの「円安」となり、輸入コストが上昇しました。
つまり、「原料高」「原油高」「円安」のトリプルパンチが記録的値上げにつながったのです。
帝国データバンクでは、一連の食品値上げにより、標準的な1世帯あたりの家計負担額が「1カ月あたり平均5,730円、年間で6万8,760円」も増加したとしています。
2023年も値上げが続く
食品の値上げは、2022年で終わったわけではありません。
すでに、2023年の1月から4月に値上げが予定されている食品が「7,152品目」もあります。
これは、2022年の同じ時期の5割増しです。
また、値上げ率も高く、平均で「18%」に達しています。
「加工食品」が値上げの中心
2023年の値上げで、一番多い分野は「加工食品」です。
加工食品は、値上げされる製品全体の半分を占めます。
次に多いのが「種類・飲料」と「調味料」でした。
この3つの品目は、いずれも平均値上げ幅が「19%」に達しています。
しばらくは「我慢」が続く
2022年に食品の値上げの原因となった、「原料の高騰」などの要因は、2023年になっても解決する見込みがありません。
さらに、「電気代」や「ガス代」などのコスト上昇、人件費の上昇、人手不足など、メーカーにとって、より厳しい状況が続くでしょう。
つまり、当分は断続的に値上げが続くでしょう。
それを前提として、お金の使い方を考えてください。